エコカー補助金「不発」のおそれ、交付実績たったの1割東洋経済オンライン10月14日(水) 11時 1分配信 / 経済 - 経済総合
6月に始まったエコカー購入補助金。車齢13年超の廃車を伴う場合は25万円、そうでなくても10万円(軽自動車は各半額)がもらえるが、この制度に対する不満が噴出している。購入者への補助金交付が大幅に遅れているのだ。 交付の流れは下図のとおり。経済産業省から委託された次世代自動車振興センターが審査から振り込みまでを担う要となっている。 【関連図】 クルマ購入から補助金交付の流れ 具体的な交付実績はこれまで公にされてこなかったが、センターは本誌の取材に対し、9月25日までの交付決定件数が18万6000台、金額にして199億円にとどまっていると明らかにした。当初予算3700億円に対する消化率は1割にも満たない。 1台当たりの補助金額が多い13年超の廃車を伴う申請は全体の15%しかなく、これも交付金総額が増えない一因ではある。ただ最大の理由は、未処理の申請書がセンターに52万台分も積み上がっている点にある。 「処理が遅いというおしかりは承知している。当初は到着順に審査していたが、問題ない書類は先に通すよう処理方法を変更した。要員も1.5倍に増やした」と説明するセンターは、想像以上にずさんな申請書類が大量に届いているとも言う。「振込口座の記入に不備がある書類が全体の1割もある。エコカーの対象にならない車を購入したのに申請したり、中には白紙のまま送ってくるケースまである」(センター)。準備不足と意思疎通の目詰まりが露呈している形だ。 ■無用な混乱も 補助金制度は来年3月末で終わる。消化率が非公開だったため、販売現場には「年末にも予算を使い切るのでは」という疑心暗鬼が生じていた。その結果、「補助金が出るうちに買ったほうがいい」というセールストークがはびこる一方、「いつもらえるかもしれない補助金は当てにならないからと購入を断られる」(冒頭の販売店社長)など無用な混乱を招いている。 今のペースが続けば、全額を使い切れずに期限を迎えることになる。足りなくなるよりはましかもしれないが、そもそもこの制度は環境車への買い替えを誘導する景気刺激策だったはず。“余り”が多ければ、政策として十分な成果を上げられなかったことを意味する。 9月の国内新車販売台数は0.2%増と14カ月ぶりに前年を上回った。ただ補助金制度の機能不全が放置されるようなら、ほんの束の間の回復にとどまらざるをえない。 (高橋由里 =週刊東洋経済) 【関連記事】 ・ 新政権に降りかかるエコカー減税の矛盾 ・ 甦る自動車危機の悪夢、各国で補助金の期限切れが相次ぐ ・ 【産業天気図・自動車】補助金効果は一瞬。追うほど彼方に揺れる台数回復の蜃気楼 ・ メガバンクに迫る資本規制強化の大波 ・ LED照明の次世代戦争、4000円電球が火ぶた切る、新参シャープに東芝・パナが反撃
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