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アニメ業界の新しい指標となるか?「ノイタミナ」のチャレンジ

ORICON BiZ11月 7日(土) 10時 0分配信 / エンターテインメント - エンタメ総合
05年に放送された第1作目『ハチミツとクローバー』(C)羽海野チカ/集英社・ハチクロ製作委員会
 05年、羽海野チカ原作の人気漫画『ハチミツとクローバー』のアニメ化からスタートした、フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」。5年目を迎えた現在、アニメファンのみならず一般的な深夜テレビ視聴者からも大きな信頼を集めるブランドとして定着し、深夜アニメとは思えないほどの高視聴率をマーク。11月28日からは初の劇場作品『東のエデン 劇場版I The King of Eden』(2部作)の公開も控えている。

 90年代末の『新世紀エヴァンゲリオン』ブームをきっかけに始まった「アニメバブル」以降、日本のアニメーションが世界的な評価を獲得していく中で、F1層と言われる20歳〜34歳の一般的な女性層は、アニメ作品を楽しむ機会がほとんどなかった。

 そんな中で放送を開始した「ノイタミナ」は、それまで深夜アニメにはほとんど所縁のなかった企業が集まり、製作委員会を結成。発足当初からF1層を強く意識した作品を次々と発表し、現在ではハイクオリティーなアニメ作品が見られる放送枠として定着。「ノイタミナブランド」として、多くのファンを生んでいる。では、同枠を成功に導いた要因の一つである“ブランド化”の手法とは?

【図表】これまでの「ノイタミナ」放送作品一覧(ページ中段に掲載)

■ブランド化3つのチャレンジ(1): F1層を取り込み嫌悪感ないアニメに

 発足当時、深夜アニメは男性向けの作品が多数を占めていた。その状況下で、パッケージ消費が見え難いと思われていたF1層を狙った作品を発表し続けた意図は何だったのだろう。

「一般的なバラエティ番組を見ているような層の象徴として、F1層が嫌悪感を抱かないような作品を作ろうというのが基本にありました。それを分かり易くやったのが『ハチクロ』や『Paradise Kiss』です」(フジテレビジョン 山本幸治氏)
「彼女達が視聴に耐えられるアニメ作品であるならば、その作品はテレビを見るすべての視聴者層にとって受け入れやすい作品になると考えました。しかし、それが「ノイタミナ」のブランド・イメージなのかというとそうではなくて、やはり良いシナリオ、良いキャラクターがあってこその「ノイタミナ」。ブランド・イメージを絶対的な前提とした放送枠ではないんです」(アスミック・エースエンタテインメント 遊佐和彦氏)

 つまりターゲットは外さずに、視聴者の想像を良い意味で裏切るような原作選びが、いつも新鮮な印象を抱かせる秘訣のようだ。

■ブランド化3つのチャレンジ(2):原作選びはトレンドの半歩先を読む

「ノイタミナ」の放送時間帯は通常だとバラエティ番組がメイン。この枠でアニメを放送していること自体が大きなチャレンジだと言えるが、トレンドに敏感な一般層にも響く原作選びが大きな魅力となっている。
「アニメのトレンドに捉われず、『時代の半歩先』を行くような作品を目指そうと思っています。今流行っているアニメのトレンドを追ってしまうと、放送される頃には普通になってしまいがちですから」(山本氏)

■ブランド化3つのチャレンジ(3):収益性だけでは計れないブランドの強さ

 好調な視聴率を稼ぐ「ノイタミナ」。では、具体的な収益性は?
「収益については、各社やっと回収したかな? というところですね。ようやくトントンになった、という段階。ただ、各社がイメージしていたブランディングは「ノイタミナ」で実現できたと思うんです。そういう意義の部分を各社が実感できるほどにブランド化できたことは、成功だと思っています」(山本氏)

 一過性のブームで終わってしまう不安定さがあるアニメ業界において、放送枠をブランド化させることで安定感を生み、視聴率とパッケージ消費を底上げする。アニメの放送本数が徐々に減りつつある現在、約5年かけて築き上げた「ノイタミナ」は、アニメ業界の新しい指標となるだろう。

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  • 最終更新:11月 7日(土) 10時 0分
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