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近づく、テレビの終焉【西村幸祐】

WiLL 2014/2/10(月) 15:02配信

テレビ放送の劣化が止まらない

 テレビ放送の劣化が止まらない。ここ数年言われていることだが、年末から一月下旬にかけての報道番組を見て、ますますその想いを強くした。まるで東日本大震災で大津波が襲来した直後の被災地のような荒涼たる光景が、液晶画面のなかに拡がっている。元旦のテレビ朝日は、恒例の「朝まで生テレビ」を放送した。かつて討論番組の王道のように言われて人気もあったのは、パネラーたちが様々な立場から登場して議論百出、百家争鳴の見せ場を司会の田原総一朗氏が劇場的に作り上げていたからだった。
 ところが、ここ何年は見ることもなくなった。同じ顔ぶれのパネラーが面白くないからだ。特に今回はテーマが安倍首相の靖国参拝だったにもかかわらず、十人以上のゲストのうち明確な賛成派は山際澄夫氏ただ一人。これでは、他の地上波の偏向番組と変わらない。少なくとも賛成派が半分いれば、かなり実のある議論ができたのではないだろうか。番組途中で、山際氏が議論の偏向ぶりを訴えて国民の声を聞くべきだと言うと、さすがに司会の田原氏が視聴者の電話とファックスによるアンケートをとることを決めた。
 その結果は、七一%が安倍首相の靖国参拝に賛成だった。山際氏がこの結果を受けて、「これはこれでフェアな数字だと思いますよ。よくやっていただきました」とコメントすると、出演者の古市憲寿という人物が「まあ、統計的にはあまり意味のない数字ですけどね。この番組を見てる人がどう思ってるかってことですね」と応じた。この人物、学者らしいのだが、とても学者らしからぬ感情的な低レベルな反応だ。この発言が、この番組の最近の凋落を物語っている。

米国の「失望」に大喜びするテレビ朝日とTBS

 そもそも安倍首相の昨年末の靖国参拝について、各メディアは米国の「失望」に大騒ぎし、まるで支那や南北朝鮮の放送局のような一方的な報道を繰り広げた。普段、反米的なスタンスを売り物にしているテレビ朝日、TBSが米国の「失望」に大喜びで、「アメリカ様に怒られた」とばかり得意になっていたのは滑稽で、哀れだった。ヘリコプターまで飛ばして中継する必要などどこにもない。
 そんな無駄な経費を使えるのもテレビ業界が高額なスポンサーマネーに支えられているからだが、いったい、そのような構造はいつまで続くのだろうか? すでに新聞は収益構造の転換を余儀なくされた。広告収入の激減と実売の減少がその理由だが、テレビはその金額や組織、システムの規模が大きいだけに実は新聞以上に深刻で、危機は一気に到来するだろう。その兆しが、放送内容のレベル低下にはっきりと表れている。
 たとえば、NHKも民放もアナウンサーが「二人組」を「ににんぐみ」と読む。そんな放送コードがあるのか? 各局のアナウンス部でどんな教育をしているのか、という以前の問題で、現場のディレクターも黙っているのだろう。「ニニングミに襲われたAさんは」と平気でやる。「フタリグミ」と読むアナウンサーに最近、お目に掛かったことがない。
 おまけに、成人の日のニュースで驚いたのは、「二十歳」を「ニジュッサイ」と読み上げていた。なぜ、そんな恥ずかしい放送がノーチェックで垂れ流されるのか? 私は中学で放送部に所属していたが、中学生でも、全員が「ハタチ」という言葉は知っていた。
 ところが、そんなテレビ界でフジテレビの「新報道2001」だけが異彩を放ち、素晴らしい内容を放送する。一月十二日は安倍首相の靖国参拝がテーマだったが、ゲストの西尾幹二氏が圧巻だった。短い時間で、的確で重要なポイントを指摘した。
「中国は靖国参拝を止めさせたら、次は靖国を潰せ! と言ってきますよ。そのあとは皇室を潰せ! と必ず言ってくる。それが中国の帝国主義です」
「韓国政府の七~八割方は、すでに北朝鮮に抑えられている」「日韓併合は、自立できない朝鮮を欧米が日本に押し付けたもの」
「韓国は日本にどんな酷いことをしても、日本は助けてくれるという前提で動いている。それが限界に達してると、私たちは韓国人に知らしめなくてはならない。その意味で、今回の靖国参拝は、アメリカにも韓国にも、日本は韓国援助を明確に拒否する意思を伝えた安倍首相の高等戦術だった」
 このように、まず地上波テレビで正しい認識が流れることが重要なのである。

西村幸祐

最終更新:2014/2/10(月) 15:02

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