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朝日の天敵『週刊新潮』 (『WiLL』2005年4月号より)

WiLL 2014/3/7(金) 17:49配信

朝日、広告掲載拒否の経緯

『週刊新潮』が、〈「朝日「極左記者」と「NHK偏向プロデューサー」が仕組んだ「魔女狩り」大虚報〉という特集を掲載したのは、二〇〇五年一月二十七日号(一月二十日発売)。
 ことの起こりは、朝日新聞、二〇〇五年一月十二日付朝刊のスクープだった。
 NHKが二〇〇一年、一月三十日に放映した慰安婦番組に関して、自民党の安倍晋三、中川昭一代議士が、この番組放映前に、NHK幹部を呼びつけ、「偏った内容だ」と指摘、手直しを要求するよう圧力をかけた。NHKはそれに応じて番組を改変した、と一面で大々的に報じた。
『週刊新潮』は、この記事を「朝日の『極左記者』が最初から、政治介入ありきの姿勢で取材を行った『魔女狩り』にほかならない」として、特集を組んだのだ。
 その後の「言った」「言わない」のNHKと朝日のバトルは、ご存じの通りだが、この記事が掲載された『週刊新潮』の広告を、朝日新聞は「掲載拒否」したのである。
 掲載拒否にいたるまでの、朝日新聞サイドと、『週刊新潮』のやりとりは次のようなものだった。
「一月十八日火曜日、朝日サイドから審査結果の報告がありました。この、朝日新聞に関する記事タイトルは、事実に反する。このままでは広告を掲載できない、ということだった」(『週刊新潮』編集部次長・佐貫雅義氏)
 朝日新聞に掲載予定の広告は、事前に、朝日新聞広告局が原稿審査をすることになっている。
 通常のケースでは、「この言葉はまずい」「こう変えてほしい」などと言ってくるところを、今回については、ともかく「事実に反する」「このままではダメだ」の一点張りだったという。
『週刊新潮』編集部は、記事は事実なのだから変更するつもりはいっさいない、と突っぱねた。翌水曜には、朝日は記事全体が気に入らないようだ、という情報が代理店経由などで聞こえて来た。さすがに朝日内部では大騒ぎになったようだ。朝日新聞としては、『虚報』の事実はないし、NHKと『仕組んだ』『魔女狩り』というのも事実に反すると、強い姿勢で反論しているという情報も入ってきた。
 一面の スクープ記事を、「虚報」とされたのだから、朝日が怒り狂うのも、無理はない。広告局の担当者を超え、役員レベルの問題になっていた。
 その後もやり取りが続き、十九日の夕方になって、間に入っている広告代理店と、新潮社の宣伝部から、『朝日』の二文字と『大虚報』の三文字を削ることで掲載できないか、という案が双方に打診された。また朝日新聞が認めない「異常体裁」を避けるため、文字を削除した部分に、背景と同じように網をかけることも検討できないか、との打診も同時にあった。
「異常体裁」というのは、朝日新聞広告局が使う用語で、朝日サイドが「掲載できない」と判断した文字を削除して白く抜けたままにしたり、黒く塗りつぶした形の広告をこう呼んで嫌う。確かに、文字が不自然に抜けたりつぶれたりしている広告は、まるで戦前・戦中の検閲を思い起こさせ、読者にとっても「異常」ではある。
 朝日サイドはこの案、つまりタイトルを〈「極左記者」とNHK「偏向プロデューサー」が仕組んだ「魔女狩り」〉として、その上で五文字削った部分が不自然に見えないように修正をするのならば、掲載を認める、と回答してきた。
 これに対し『週刊新潮』編集部は、「記事は事実と考えており、編集部として削除した原稿を入れ直すつもりはない。文字を削除するのなら、朝日新聞で勝手に削除すればよい。ただし削った後に網をかけて修正することは認められない。こちらは、記事は事実であると考えているのだから、文字を削ったという痕を残した形で掲出するのでなければ、認めることはできないと回答しました」(佐貫次長)
 その結果、朝日側から「それでは広告は掲載いたしません」という返答があった。
 これが今回の掲載拒否に至るまでの経緯だ。

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最終更新:2014/3/7(金) 17:49

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