ここから本文です

東電職員に敬意と労いを

WiLL 2014/7/9(水) 21:59配信 (有料記事)

強烈な「四重のストレス」

 災害におけるメンタルヘルスを専門としてきた私は、福島第一原子力発電所の事故以降、東京電力社員を中心に復旧現場で働く人たちの心の健康について、医療支援と調査を続けています。
 支援を始めたきっかけは、福島第二原発で非常勤の産業医を務める谷川武愛媛大学教授(現順天堂大学教授)が、二〇一一年四月半ばから福島第一原発の復旧現場に入り、非常に過酷な環境であることをメディアを通じて指摘されていたのを見て、「私にもなにか力になれることがあれば、是非、手伝わせてほしい」とお願いをしたことにあります。
 そして、原発事故から約二カ月が経過した二〇一一年五月六日に、初めて福島第一、第二原発で働く作業員の人たちと面談をしました。その時、まず何よりも感じたことは、彼らが途轍もないストレスに晒されているということでした。それは、強烈な「四重のストレス」が複合的に影響している非常に深刻な事態で、いままでのどの災害にも類例がないほど膨大でかつ複雑なものでした。
 まず一つ目に挙げられるのが、業務を遂行するうえで感じた「惨事ストレス」です。津波に巻き込まれた、目の前で原発プラントが爆発した、被曝した、被曝したかもしれない、といったそれだけでも壮絶な体験です。
 二つ目が「被災者体験」です。原発で働く職員の多くが地元住民で、約七割は自宅や財産を失い、自身も避難生活を送りながら原発の仕事に従事しています。
 三つ目は「悲嘆の体験」です。福島第一原発では、若い職員二人が津波に呑み込まれて亡くなりました。第二原発でも関連会社の職員が亡くなっています。同じ仕事をしてきた仲間を失い、また津波によって家族や友人を亡くした人が大勢いる。
 そして四つ目は、これが一番大きいのですが、「東電バッシング」による差別、中傷、社会的批判です。本文:11,504文字 この記事の続きをお読みいただくには、WiLLプレミアム on Yahoo!ニュースの購入が必要です。

  • 通常価格:
    308円/月(初月無料)
  • 会員価格会員価格:
    206円/月(初月無料)

サービスの概要を必ずお読みいただき、同意の上、ご購入ください。

Yahoo!プレミアム会員登録はこちら(月額498円)

重村淳(防衛医科大学校精神科学講座准教授)

最終更新:2014/7/9(水) 21:59

WiLL

記事提供社からのご案内(外部サイト)

WiLL

ワック

2017年1月号
10月26日発売

特別定価800円(税込)

【総力特集】 さぁ、トランプだ 覚悟せよ!
トランプは天才奇術師ですな 渡部昇一
【特集】 自沈するセウォル号国家

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。