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【古谷経衡】「安倍総理で『戦争のできる国』」論の大嘘

WiLL 2014/7/15(火) 13:00配信 (有料記事)

■著名翻訳者の暴言

「あ べ し ね」(安倍死ね)
「世界で一番やさしい哲学書」のふれこみで、一九九五年に累計二百万部の大ベストセラーとなった『ソフィーの世界』(NHK出版)。同書の翻訳者として一躍、著名人となった池田香代子が二〇一四年四月十六日午後にツイッター上で呟いたこの台詞が、大問題となった。
 読んで字のごとく、「安倍死ね」というこの文言には、「安倍総理の死」を切望する池田の歪んだ心証が投影されている。
 池田は『ソフィーの世界』の成功のあと、二〇〇一年には絵本『世界がもし一〇〇人の村だったら』(マガジンハウス)を日本語向けに再話したバージョンを翻訳、こちらも百三十万部というミリオンセラーとなるなど、商業的に大成功が続いた。
 池田は『一〇〇人の村』の印税で、「一〇〇人村基金」なる難民支援団体を設立。アフガニスタンやパレスチナにおける難民支援の活動を始めたのはよいが、こういった翻訳業での収益をベースに、池田は徐々にその左傾的思想傾向を剥き出しにしていくことになる。
 二〇〇二年には、護憲思想と「右傾化への警鐘」を明確に打ち出した絵本『やさしいことばで日本国憲法』、立て続けに二〇〇四年には自費出版の無料絵本『戦争のつくりかた』を出版し、同じく護憲思想と「右傾批判」を強烈に展開した。
 二〇〇六年、池田はさらに政治的活動の範囲を広げて、「十一の約束プロジェクト」を立ち上げる。これは、同年十月に「教育基本法」の改正案が自民・公明の賛成多数で衆議院を通過するという観測を前に、改正案が「愛国心の強制・前時代的な道徳教育への回帰・教育への国家権力の介入」であり、「世紀の悪法」であるとの観点から、当時の自民党などの国会議員に対し、「戦前の軍国主義教育への反省に立脚して制定された」とされる旧教育基本法の条文を冊子で配布。改正案への反対を訴えるという政治アクションである。
「十一の約束」の「十一」とは、旧教育基本法を構成する全十一条のことを意味する。
 しかし、教育基本法改正案は十二月には参議院でも通過し、あっけなく成立。池田らの頓狂にも思える「十一の約束プロジェクト」は、主力議員からほとんど黙殺される結果となった。
 この時の内閣総理大臣こそ安倍晋三(第一次内閣)であり、冒頭の「あべしね」という池田の異様なまでの安倍総理への「怨念」は、このときの教育基本法「改悪」阻止運動の頓挫という苦々しい原体験を下敷きにしているようにも思える。本文:19,142文字 この記事の続きをお読みいただくには、WiLLプレミアム on Yahoo!ニュースの購入が必要です。

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古谷経衡(月刊『WiLL』2014年7月号掲載)

最終更新:2014/7/15(火) 13:00

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