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【元サムスン電子社員が決意の内部告発!】泥舟サムスン脱出の記 全文一挙掲載

WiLL 2014/12/8(月) 16:15配信 (有料記事)

サムスン社員さえも自社のスマホは買わない!?

 韓国の年度は二月末で閉じて三月から新年度が始まるが、サムスン電子は「グローバル企業」と称するだけあって決算期は十二月末。第一・四半期は一月~三月、第二・四半期は四月~六月となっている。
 毎四半期が締まると、一週間後にあたる翌月七日前後に決算予想が発表され、一カ月後の月末頃には確定値が発表される。これまでの発表の傾向を見ると、予想値と確定値はほぼ一致しており、大幅に修正されることはまずない。
 今年に入り、四半期決算が発表されるたびに「サムスン失速」という言葉を頻繁に聞くようになった。
 サムスン財閥のなかで最大規模を誇るサムスン電子の最近一年間に発表された四半期決算を見てみると、次のようになる(以下、為替レートは一ウォン=〇・一〇一円で統一し、円に換算して表記する)。
 二〇一三年
 第四・四半期 売上高六兆円 営業利益八千四百億円
 二〇一四年
 第一・四半期 売上高五兆四千億円 営業利益八千六百億円
 第二・四半期 売上高五兆三千億円 営業利益七千三百億円
 第三・四半期 売上高四兆八千億円 営業利益四千百億円
 二〇一三年の第四・四半期は営業利益が前年同期比で減少し、これは二年ぶりのこととして話題になった。その後、営業利益の前年同期割れは、二〇一四年第三・四半期まで連続している。
 二〇一四年の第二・四半期において、売上高も前年同期割れし、減収減益。四半期ベースの売上高が前年同期を下回るのは九年ぶりとされ、市場に衝撃を与えた。
 これをもって「サムスンは衰退期に入った」という危機説や、そうではなく「サムスンの財務は健全であり、騒ぐほどのことではない」という楽観論などが交錯している。
 公式発表の数字だけを見るなら、楽観論が妥当だろう。仮に厳しく見積もって、サムスン電子の四半期ベースの業績が、売上高五兆円、営業利益四千億円で安定したとする。これを単純に四倍すると、通年で売上高二十兆円、営業利益一兆六千億円となる。
 日本の電機業界で業績の回復が著しいとされる日立製作所は、二〇一四年三月期の通年決算が連結売上高九兆六千億円、営業利益五千三百億円。重電部門を軸に立て直した日立に対し、エレクトロニクス事業を中心に立て直しているパナソニックは同じく連結売上高七兆七千億円、営業利益三千億円である。
 サムスンは成長が飽和したとは言え、売上高、利益とも極めて高い水準にあり、「危機」という言葉は当てはまらないどころか、盤石な経営基盤を有する優良企業に見える。
 そのため、日本人は思想的な親韓、嫌韓の如何にかかわらず、経営指標を見てサムスンの将来性に魅力を感じると同時に、脅威を感じる者も多い。私もそういった表向きの決算値から判断して、「いまのサムスンなら独自の技術開発をできるだろう」と思い込み、海を渡った者の一人である。
 しかし、そこで私が見たものは日本の大企業病以上に深刻な韓国企業特有とも言える企業病であった(その辺りの詳細は、月刊『WiLL』二〇一三年十一月号の拙稿を参照していただきたい)。
 ここ二~三年、ITモバイル部門がサムスン電子の営業利益の六~七割を占め、同部門の失速が全社決算の減益に直結している。スマートフォン事業に続く基幹事業が立ち上がらないのが問題だ、と社内外から指摘されている。だが、サムスンに勤めた者からすれば、それも当然のことだと言わざるを得ない。
 本稿では、私がサムスンで実際に経験した事例をさらに掘り下げて紹介するとともに、そこからサムスンの「いま」を論じてみたい。本文:18,467文字 この記事の続きをお読みいただくには、WiLLプレミアム on Yahoo!ニュースの購入が必要です。

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高村忠美(元サムスン電子社員)

最終更新:2014/12/8(月) 16:15

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