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朴槿恵大統領の呆言、妄言、暴言録全文一挙公開【室谷克実】

WiLL 2015/4/10(金) 19:51配信 (有料記事)

「門番三人組」のブロックと「引きこもり型元首」

 一国の元首の発言は、その国を観察するうえで必須の材料だ。式辞などの公式演説は、側近の官僚群によって作成されたテキストに基づくだろう。国内外の要人と交わす即興的な会話すら、実は官僚群による事前レクチャーが色濃く反映されていよう。逆に見れば、一国の元首の言葉とは、その国の実権的ブレインの視角と意向、知識レベル、さらには配慮すべき国内外の事情などを総合的な背景として発せられる。
 だから韓国を観察する場合には、朴槿惠大統領の発言をしっかりと受け止め、分析する作業が重要になる。以下は、そのための一つの試みだ。
 韓国の現行憲法下の大統領とは、日本の天皇のような象徴元首ではなく、アメリカ型の実権大統領だ。しかし、朴槿惠大統領は就任して二年二カ月余にもなるのに、記者会見は二回しかしていない。それも再質問を認めない形式で、痛いところを突く質問には木で鼻を括ったような、受け流し回答だった。国会で演説したことは一度しかない。それも言いっぱなしであり、国会答弁もしたことがない。
 朴槿惠大統領は、日本の首相官邸とは比べ物にならないほど広い韓国大統領府(青瓦台)のなかに、いくつかの大統領専用スペースを確保しているらしい。それらの専用スペース域から、政権のナンバー2である大統領府秘書室長の執務室まで五百メートルあると言われる。
 専用スペース域は、大統領になる前からの秘書が「秘書官」に昇格して“門番役”を務めている(韓国のマスコミをして「門番三人組」と言う。最近、うち一人は広報部門の秘書官に移動した)。
 韓国のマスコミは「門番三人組」のブロックにより、本来なら大統領の手足である首席秘書官はもとより、閣僚も「対面報告」ができない状況を批判してきた。しかしそのブロックは、そもそも大統領の意向に基づくのだろう。つまり、「引きこもり型元首」なのだ。
 それは、父親が側近に殺害されたことが影響しているのかもしれない。「引きこもり型元首」は首席秘書官や閣僚との面談すら嫌い、必要なことは文書報告にするよう命じている。文書報告のなかによほど気になる点があれば電話をする。与党執行部とも、時たま昼食会を開くぐらいだ。
 朴槿惠大統領は妹弟と絶縁状態にある。家族はいない。昔から使っている家政婦が夕方六時に帰ると、愛玩する珍島犬だけが友となる。大統領自身、「大統領府にいる本当の実力者は珍島犬だ」(与党幹部との昼食会、一四年十二月八日)と述べている。
 これは出席者を笑わす発言だったとされているが、裏側には「淋しい女性大統領」の実像が隠れている。世界の元首のなかでも、この女性は極めて異様な環境のなかに好んで身を置いている。それはユーモアある対話に欠け、精選された極少量の情報しかインプットされない環境だ。 
 もしかしたら、妄想を育てるのには最適の環境であるのかもしれないが……。
 日本で「保守派」とされる人々は、頻繁に「◇◇さんは○○氏の息子だから」と、会ったこともない◇◇氏に全幅の信頼を寄せてはよく裏切られる。それなのに懲りずに同じ手法の見立てを繰り返す。
 朴槿惠氏についても、日本の保守系親韓派は「朴正煕の娘だから親日派のはずだ」と言い、「きっと日本語も話せるのだろう」と妄想を膨らませた。
 が、大統領就任から一週間ほどで、その妄想は一瞬にして砕かれた。
「加害者と被害者という歴史的な立場は千年の歴史が流れても変わらない」(三・一節式辞、一三年三月一日)という、今後の日韓関係史に百年ぐらいは残りそうな台詞を述べたのだ。
 大統領就任後、初の大式典(三・一節=独立運動記念日)だから、その式辞の対日部分には外交省、教育省などの徹底的なチェックが入ったはずだ。しかし、「こんなことを述べたら日本人は……」とチェックできるだけの日本通はいなかった。
「高麗兵が先陣を務めた元寇からまだ千年経っていませんから……」と史実を指摘できるスタッフもいなかった。本文:16,303文字 この記事の続きをお読みいただくには、WiLLプレミアム on Yahoo!ニュースの購入が必要です。

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室谷克実(評論家)

最終更新:2015/4/10(金) 19:51

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