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実は今、中国の味方は誰もいない!

WiLL 2015/5/4(月) 16:20配信 (有料記事)

アメリカを激怒させた「反テロリズム法」

 二月二十七日、シャーマン米国務次官(政治担当)はカーネギー国際平和財団で講演を行い、尖閣諸島海域での日中間の緊張の高まりや中国・韓国における反日運動に関連し、「第二次世界大戦の『いわゆる慰安婦』などの歴史問題」に言及した。
「ナショナリスト的な感覚で敵をけなすことは、国の指導者にとって安直な称賛を浴びるが、それでは感覚が麻痺するにすぎず、進歩とは無縁である」
 特に「いわゆる慰安婦」と表現して、従来の「強制連行」「従軍慰安婦」「性奴隷」という中国や韓国の政治プロパガンダに疑問符をつけた点が注目される。これは米国務省の対中、対韓国アプローチの変化を顕著に示唆しているからだ。
 その直後、オバマ大統領は中国が立法化をめざす「IT規制法」に、過激なレトリックを用いて注文をつけた。
「(中国は)米国とビジネスを続けたいのなら(新法の中身を)考え直すべきだ」
 米国の中国への苛立ちは、次の三点によるものと見られる。
 第一は、中国が執拗に仕掛けるハッカー戦争の脅威である。
 これまでのハッカー攻撃に業を煮やした米国は二〇一四年五月十九日に、米企業などに対するサイバースパイの容疑で中国人五名を起訴したが、最近の動きはさらに腹に据えかねるものがあったようだ。
 問題は、中国が全人代で上程準備中の「IT規制法」(別名「反テロリズム法」)だ。これにより、米国IT企業が中国から一斉に総撤退する懼(おそ)れさえ出ている。
 同法は、名目上はテロ対策だと言われているが、実際は外国のIT企業に対して、コンピュータ内部の電子情報の漏洩防衛目的の暗号の解読方法を治安当局に開示せよ、とする一方的な法律。つまり、暗号技術の合法的な奪取である。
 暗号が解読されれば、データは改竄されやすくなる。たとえば、政府や金融機関のプログラムに偽のデータを仕込んで偽口座への送金を命じることができるし、あるいは逆に外部からの信号を停止させることもできる。最悪の場合は、世界の市場が破壊されると言ってよいだろう。
 それだけではない。この新法は表向き「反テロリズム法」となっているが、実は中国が軍隊を海外へ派兵する基準も大幅に緩和される内容になっている。ということは、外国で反中国活動をしている法輪功、チベット、ウイグルなどの民主派諸団体に対して実力行使を目的とした軍の派遣が可能になるのだ。米欧は適宜対策を講じているが、日本は対策に出遅れ、いまだ安い中国製のIT製品が市場を席巻している。本文:14,016文字 この記事の続きをお読みいただくには、WiLLプレミアム on Yahoo!ニュースの購入が必要です。

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宮崎正弘(評論家)

最終更新:2015/5/4(月) 16:20

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