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沖縄が忘れ去ったアメリカ統治の恩

WiLL 2015/5/21(木) 17:22配信 (有料記事)

「自治は神話」の真意

 四月五日、沖縄で菅義偉官房長官と翁長雄志沖縄県知事との初会談が行われました。
 会談で菅官房長官は「辺野古移設を断念することは普天間の固定化にも繋がる。(仲井眞弘多前知事に)承認いただいた関係法令に基づき、辺野古埋め立てを粛々と進めている」と説明し、対して翁長知事はこう反論しました。
「『粛々』という言葉を何度も使う官房長官の姿が、米軍軍政下に『沖縄の自治は神話だ』と発言した最高権力者キャラウェイ高等弁務官の姿と重なる。県民の怒りは増幅し、辺野古の新基地は絶対に建設させることはできない」
 たしかにキャラウェイ中将は在任当時、「沖縄の自治は神話だ」という趣旨の発言をしましたが、中将は沖縄住民の性格を熟知しており、「自治を要求する声よりも、むしろ『責任』と『能力』の度合いに考慮を払わずにはおれない」と前置きし、「やるべきことをやれ」と強調したのです。その発言のなかで、「神話だ」という言葉を使ったにすぎません。
 中将の言う「義務」とは何か、そもそもキャラウェイ中将がどんな人物だったのか、きちんと理解している人はどれくらいいるのでしょうか。
 中将は一九六一年二月十六日から六四年七月三十一日までの三年六カ月間、沖縄に赴任し、頑迷固陋な沖縄住民の啓蒙活動に邁進したのです。
 当時の沖縄の金融界は腐敗しており、利益独占集団を形成していました。日米両国政府が経済援助を行っていたのですが、この集団が中間搾取してしまう。その腐敗体制にメスを入れたのが、他ならぬキャラウェイ中将だったのです。沖縄金融界の浄化、感染症防遏対策、インフラ構築、サンゴなどの自然保護政策など多大な功績を残しています。
 南大東村では一九〇〇年、大日本製糖会社が八丈島から移民を募り、「農地を開拓し、一定期間耕作すればそれを解放する」という条件で小作をさせていたのですが、戦後になっても約束を履行しようとしなかった。
 困った村民たちは、キャラウェイ中将に農地解放の仲介を懇請したのです。弁護士資格を有していた中将は会社側に約束を履行するよう説得し、実現しました。村民は移住六十四年を経過して、ようやく開墾地の私有化を実現できたのでした。
 一九六四年六月四日には、那覇市議会が中将に名誉那覇市民憲章を授与し、功績を讃えました。さらに二〇〇〇年七月三十日、南大東村では開拓百周年を記念して中将の胸像が村民によって建立されました。
 翁長知事やマスコミは、キャラウェイ中将を「米国支配下の沖縄で強権的な政策を進めた人物」としていますが、決してそのような人物ではないのです。
 もしそうだとしたら、なぜ那覇市議会が名誉市民憲章を授与したのか、なぜ南大東村に胸像が建立されたのか、全く説明がつきません。本文:10,870文字 この記事の続きをお読みいただくには、WiLLプレミアム on Yahoo!ニュースの購入が必要です。

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恵隆之介(ジャーナリスト)

最終更新:2015/5/21(木) 17:22

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