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アメリカが安倍総理を大歓迎した理由

WiLL 2015/6/2(火) 12:44配信 (有料記事)

共通の敵の存在こそ同盟の要

 日英同盟は、日本外交の芸術的傑作だったと言われる。そのとおりであろう。ロシアと戦う前に、日本は当時、世界の大国だった英国と結んだ。三国干渉でロシアと共同歩調を取ったドイツとフランスを牽制できる。日本が国際社会で孤立化する事態は完全に回避できる。
 しからば、英国は単に日本の熱心な支援国で、正義に燃えて日本に同盟の手を差し伸べたのか。当時の英国はボーア戦争で国力を弱め、ドイツの海軍増強を脅威と感じ、ベネズエラの国境線をめぐって米国と対立していた。国際的に孤立していたのはむしろ英国だった。日露間に戦いが発生し、日本が敗北するような事態になったら、英国が中国に持つ権益はどうなるか。英国とすれば、日本と同盟を結ぶ以外の選択肢はなかったのである。
 米英関係を、ともにアングロ・サクソン国家であるから当然の同盟が成立していると考える向きもあるが、第二次世界大戦から戦後にかけての米英関係を研究した英スタンシー大学のジョン・ベイリス教授はこう書いている。
「両国関係は摩擦と協力、攻撃と妥協、不信と信頼の織りなす、実に複雑な姿をしていることがわかる。そして、この周囲の同盟関係が東西両陣営の緊張度に応じてさまざまに変化すること、その同盟関係を良好なものにするために、両国の政治家、政治関係者、軍人、実業界の人々などが益々ならぬ労苦をしてきていることを、とくに安全保障の分野の人々のつながりがこの同盟関係に大きな役割を果たしてきたことがわかる」(『同盟の力学』邦訳、昭和六十三年)
 同盟を構成する条件は、共通の敵の存在、価値観を共有する、経済摩擦が少ない、などいくつかあるだろうが、「共通の敵」があってこそ同盟は成立するし、強化もされよう。本文:15,375文字 この記事の続きをお読みいただくには、WiLLプレミアム on Yahoo!ニュースの購入が必要です。

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田久保忠衛(杏林大学名誉教授)

最終更新:2015/6/2(火) 13:30

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