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ならば「広島サミット」の実現を【門田隆将】

WiLL 2015/6/3(水) 13:56配信

華春瑩報道官の驚くべき発言

「では、日本の指導者に南京大虐殺紀念館を参観するか尋ねよ」
 五月十三日、定例の記者会見で、中国外交部の華春瑩報道官が言い放った言葉は、あらゆる意味で、世界を驚愕させた。
 力による現状変更で周辺国との摩擦と軋轢を繰り返している中国が、国連では、核拡散防止条約(NPT)再検討会議がとりまとめようとした文書をめぐって反発した。被爆地である「広島」「長崎」を訪問するよう各国指導者らに呼びかける文言を「載せてはいけない」と大反対したのだ。その理由がふるっている。
「日本政府が歴史上の事実を利用して侵略戦争で各国にもたらした惨劇を隠すのは認められない」(中国の傅聡・軍縮大使)
 あいた口が塞がらないとは、まさにこのことだろう。核拡散防止条約再検討会議において、人類最初と二番目の被爆地である広島と長崎への訪問を促すことは、日本が「侵略戦争の惨劇を隠すこと」なんだそうだ。
 そして、冒頭の言葉は、その真意への記者の質問に対する中国外交部の答えである。
 それは、世界の悲願でもある「核軍縮」への大きな障害が「核大国・中国」であり、同時に、二十一世紀の世界を惨禍に巻き込む懸念がこの国にあることを示すものでもあった。
 軍事的膨張をつづけ、アメリカの軍高官が告発したように、南シナ海の岩礁を埋め立て、「砂の万里の長城」を築いている中国。私は、傲岸不遜という言葉でしか表現できない華報道官の態度を見て、ならばあるものを実現できないか、と思わずにはいられなかった。
 それは、「広島サミット」である。
 来年、日本で開催されるサミットが、広島でおこなえないか、ということである。
 それは、さまざまな意味で、「反日ナショナリズム」を強める中国と韓国に対する打撃となるだろう。
 女性や子供という非戦闘員の頭上に無情にも落とされた原子爆弾。人道的にも、また国際法上も、あらゆる意味で、原爆の使用は許されるものではないだろう。だからこそ、日本は、今も核拡散防止条約の中で、懸命な活動をつづけている。

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最終更新:2015/6/3(水) 13:56

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