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あまりにお粗末! 自衛隊の医療体制

WiLL 2/2(火) 15:31配信 (有料記事)

避けられていた論点

 安保法制の議論で、自衛隊員のリスクが盛んに取り上げられました。しかし感情的な議論ばかりが先行し、「どうすれば自衛隊員の損害、犠牲を最小化できるのか」という医療支援の側面の具体的な話は、ほとんど語られないままでした。
 そのため、自衛隊員は不安を抱えながら任務や訓練に当たっているでしょうし、隊員の家族も「万が一のことがあったら」と心配しているのではないでしょうか。
 自衛隊の医療体制としては、中央病院やその他基地近くの地区病院といった専属組織を持っており、国内で戦闘行為やテロ対処などが発生し、負傷した場合には、自衛隊員は中央病院やその他の地区病院に搬送されます。
 しかし、そこに勤める医官たちは普段、救急対応をほとんどやっていません。中央病院の救急車搬入数は、広尾病院の僅か〇・〇三%(平成二十六年)。私は長く救急対応をしてきましたが、生死を分ける急患の対応は、ひとえに経験がものを言います。彼らはその経験を積むことができていない。
 しかも仮に相当数の救急対応経験があったとしても、有事において負傷した自衛隊員に適切な処置ができるとは言い切れません。相手が銃や地雷などで的確に殺しに来る「戦場」での負傷は、通常の事故や事件によるものとは全く異なっているからです。
 アメリカであれば日常的に、銃撃された患者の救急搬送があり得ますが、日本ではほぼ皆無。私も長い医療経験のなかで、銃撃された患者を診た経験は一度しかありません。
 当然、自衛隊内では「敵に撃たれた味方」に対してどのような医療行為を行うか、想定訓練をはじめとする教育をしてはいるでしょう。
 しかし臨床経験が少なく、救急対応にも慣れていない自衛隊の医官が、仮に有事が起こった際、「ぶっつけ本番」状態で果たして自衛隊員を適切に診て、適切な処置ができるのか。爆薬で顔を負傷したり、四肢が吹き飛ばされた隊員に十分な医療行為が行えるのか。甚だ疑問です。本文:10,215文字 この記事の続きをお読みいただくには、WiLLプレミアム on Yahoo!ニュースの購入が必要です。

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佐々木勝(都立広尾病院院長)

最終更新:2/2(火) 15:31

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