ここから本文です

脱北者たちが明かす北朝鮮ミサイル実験「日本は簡単に焦土にできる」

週プレNEWS 2月23日(火)6時0分配信

水爆実験、ミサイル発射実験を立て続けに行なった北朝鮮に対し、各国が次々と制裁を発動している。

【参照】中国の空母保有で激化、極東の水面下で潜水艦“軍拡競争”が勃発!

そのミサイル発射を〝元国民〞たちはどう見たのか? 脱北者3人を招集し、語ってもらった。

* * *

―北朝鮮がミサイルや核の開発を進めていることはどの程度知っていましたか?

元・北朝鮮海軍軍人(以下、軍人) 私は1990年に女性軍人として海軍に入隊しましたが、その当時から完全に把握していました。自国、そして日米韓が持っている兵器についての情報も細かく教え込まれましたからね。

元・会寧(フェリョン)市民(以下、市民) 僕のような田舎の一般市民には、そのへんの情報は一切入ってきませんでした。2009年の2度目の核実験の当時、実験場がある豊渓里(ブンゲリ)から北へ200㎞、会寧市という町に住んでいたんです。ある日、なんの前触れもなく家の窓がガタガタ揺れだして。「なんだ、なんだ!?」と慌てましたが、すぐに収まった。数日後、それが核実験による地震だったと、TVのニュースで知りました。

元・朝鮮労働党員(以下、党員) まあ、庶民に核実験が事前に告知されることは、まずあり得ませんからね。

市民 でも、当時は「北朝鮮も世界の数少ない核保有国の仲間入りを果たしたんだ」と大喜びした記憶がありますね。

―核を持つにあたって、仮想敵国のようなものはイメージされていたのでしょうか。

軍人 実は、軍隊で教えられる最大の敵国は日本です。「日本の帝国主義こそ最大の悪」だと叩き込まれます。

―アメリカではなくて!?

軍人 庶民の間では「アメリカが最大の敵」と見なされていますが、軍人は少し違う。国の軍事力を考えた場合、現実的に勝ち目のある相手を選んでいるのかもしれません。

―実際、どうなんですか。

軍人 日本と韓国については、簡単に国土を焦土にできると考えています。なぜなら両国は全土にガスの供給網が敷かれているから。その大本にミサイルを撃ち込めば、日本だろうが韓国だろうがイチコロというわけです。

―それ、本気で可能だと?

軍人 …そのように軍で教え込まれた、という話です。

党員 とはいえ、世界は北朝鮮のミサイル、核技術をナメないほうがいい。発射の数日後、中国と北朝鮮の国境エリアで平壌(ピョンヤン)から来た関係者と会いました。今回、北朝鮮の幹部たちも完全に「ミサイルの発射は成功した」とみている。アメリカ本土を射程に収めたのはもちろん、大気圏に突入するまでに要した時間が9秒だったからです。12年の発射では17秒だった。この短縮には大きな意味がある。

―というと?

党員 幹部たちは「さらに短縮可能」としていますが、そうなるとパトリオットミサイルでも迎撃ができなくなるからです。ミサイルはいったん大気圏から飛びだすとレーダー網の外に出る。そこから落下を始めたミサイルに狙いを定めたとしても、核弾頭を積んでいた場合、時すでに遅し。命中時の爆発で飛び散った核による被害がアメリカ本土に及びますからね。

市民 今回の打ち上げも庶民は手放しで喜んでいるでしょう。でも、脱北した身として一番に思ったのは「またお金が飛んでいった。あの一発で何人もの庶民がご飯を食べられるのに」ということでした。

* * *

さらに、対談の続きでは金正恩(キムジョンウン)の素顔や軍事力の実態、庶民のリアルな生活事情まで、気になる北朝鮮の内部事情を彼らが告白。発売中の『週刊プレイボーイ』10号でお読みいただけます!

●『週刊プレイボーイ』10号(2月22日発売)「脱北者 緊急座談会『世界は北朝鮮の核をナメてはいけない』」より

※脱北者座談会参加者プロフィール

会寧市出身 元・会寧市民【男性/40代前半】 2015年1月に脱北。もともとは咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)市に住み、マツタケを取って国内外へ販売する事業に携わっていた。00年代後半からの経済状況悪化を受け、徐々に生計が立たなくなり、脱北の手助けをする仕事をするように。手にしたマージンで生活していたが、当局の監視が厳しくなり、身の危険を感じるようになったため脱北を決意

平壌出身 元・海軍軍人【女性/50代前半】 2008年に脱北し、中国での潜伏期間を経て09年に韓国へ。北朝鮮海軍に19年間勤務。日本海の小島で潜水艦基地の訓練を続けていた。上から5番目の位まで昇進したが、困窮する部下のために農園をつくり、そこで取れた穀物や肉を分け与えた行為が「資本主義的」ととらえられ、降格命令が下る。それが受け入れられず社会に出るも生活が立ち行かず脱北。麻薬密売の経験も

平壌出身 元・朝鮮労働党員【男性/50代前半】 2012年6月に脱北。平壌で朝鮮労働党組織の構成員として活動していた。平壌の大学で軍事を専攻、旧ソ連キエフへの留学も経験する。そこで国際情勢を学んだこともあり、北朝鮮の3代世襲に反発を感じるようになり脱北。韓国では北の民主化、改革開放を進めるための活動を行なっている。中朝国境地帯に頻繁に出向き、平壌からの情報を入手しているという

最終更新:2月23日(火)6時0分

週プレNEWS

記事提供社からのご案内(外部サイト)

週刊プレイボーイ

集英社

No.23
5月23日(月)発売

定価400円(税込)

ファンキー加藤×武豊対談/男のマニュアル
車宣言/ソウル大エリートが「軍隊」「清掃
員」「NPO」を目指す理由【グラビア】最
上もが/松元絵里花/稲村亜美/相楽樹 他