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違法報道を許さない!TBSの「社会的不適格性」

WiLL 3/7(月) 17:07配信 (有料記事)

テレビ全体主義の異様な言論空間

 まずは、左の円グラフをご覧いただきたい。
 上段は特定秘密保護法の、下段は安全保障関連法成立の際の、主要なテレビ報道番組の法案に対する賛否バランスを、放送時間によって調査したものだ。調査は、私が代表理事を務める社団法人日本平和学研究所が行い、ナレーション、キャスター、コメンテーターの発言、各種インタビューなど、法案へのコメントを賛成、反対、中立の観点で分類して、秒単位で時間を計測した。
 ご覧いただければ一目瞭然、各局ともに賛否比率に極端な偏向が見られる。特に最も長時間、これらのテーマを扱っているTBSの「NEWS23」、テレビ朝日の「報道ステーション」は、特定秘密保護法時で八〇%以上、安保法制時には九〇%以上を反対意見に割くという異常さである。さらに信じ難いのは、全放送局を加算した場合の数値だ。特定秘密保護法時で賛成:反対が二十六:七十四、安保法制時では実に十一:八十九となるのである。
 局数が複数あろうとも、これでは事実上、テレビによる全体主義ではないか。逆を想像してみればいい。どの局の報道番組を見ても安倍政権賛美ばかりが垂れ流されていたら、リベラルや左翼は狂気のように「民主主義の死」を絶叫し続けるに違いない。
 いや、はっきり言っておこう。
 私も、たとえ自分の立場に近い言説だろうと、テレビが翼賛会のようにそれへの賛美一色というような気持ちの悪い国に住むのは御免である。
 この病的な賛否バランスは、テレビ業界人やリベラル左派の人たちに、驚くほど不公正さへの痛覚が欠如していることを明かしている。
 が、無論、一般視聴者の多くは、特定の色のついた政治ショーを見たくて夜のニュース番組を見るわけではあるまい。自宅で、あるいは酒場で寛ぎながらその日の出来事を振り返り、時に自分なりの感想を差し挟んだり、家族や同僚と議論するために番組を見るのだろう。
「朝まで生テレビ」や「たかじんのそこまで言って委員会NP」などは、視聴者は司会者のキャラクターや出演者の過激な発言、番組の政治的偏向そのものを楽しんだり、野次りたくて見る人も多く、それがこれらの番組の社会的な役割とも言える。
 が、報道番組は政治バラエティーではない。
 国論を二分し、また国家の命運を真に左右する重大な安全保障上のテーマで、全テレビ局が、報道の名のもとに一色に染まった政治プロパガンダを垂れ流し続けていいかどうかは、本来、わざわざ論じるまでもない話であるはずだ。
 数字が示す現状は、「偏向報道」という事態を遙かに通り越している。
 テレビ全体主義と称する他ない異様な言論空間が、少なくとも両法案の審議中、日本の電波を独占していた──この事実は、数字のうえで揺るがないものと思われる。本文:12,472文字 この記事の続きをお読みいただくには、WiLLプレミアム on Yahoo!ニュースの購入が必要です。

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小川榮太郎(文芸評論家)

最終更新:3/7(月) 17:19

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