ここから本文です

【セルジオ越後の天国と地獄】今の日本代表は、「ラッキー」や「相手のミス」がないと、なかなか点が取れない

SOCCER DIGEST Web 3月30日(水)6時1分配信

2次予選を受けて、「日本の攻撃力が向上」などと語るのはもってのほか。

 すごく大味な展開だったね。日本は相変わらず前半に飛ばして、畳み掛けるような攻撃を見せたけど、なかなか決め切れない時間が続いた。

金崎、清武、森重、西川…最終予選の鍵を握る「大分出身カルテット」が育った背景とは?

 相手のオウンゴールで先制し、後半も相手の対応ミスから香川が追加点を決めてリードを広げたけど、どちらもシリアの守備を崩し切ったのではなく、「ラッキー」と「相手のミス」によって2点を決めている。

 その後、劣勢の相手がやや攻撃を意識したところで、日本が続けてゴールを重ねる形になったけど、課題は少なくないよ。日本が序盤から飛ばし過ぎた証拠に、相手のカウンターに対応できなかった。何度もピンチを招き、あわや失点という場面も見られた。

 カウンターへの対応力は、依然として低いままで、もうワンランク上の国と対戦したら、日本は確実にゴールを決められていたはずだよ。

 日本が2次予選をグループ首位で通過したのは良かったけど、グループ2位のシリアにやや苦戦したという印象はぬぐえない。結果的にシリア戦は5-0で勝利したが、シンガポール戦やアフガニスタン戦、シリア戦の前半と同様、押し込んでも点を取れない展開が続いた。何度も同じ状況が続いただけに、崩し切る力の向上は課題と言えるね。

 日本が苦手としているのは、体格が良く、引いた戦い方をする相手。これは昔から変わっておらず、今の代表チームもラッキーや相手のミスがないと、なかなか点が取れない。これは大いに反省すべきだ。

 日本が2点リードした後、相手が前に出てきてからは比較的自由にプレーできたが、その状況だと日本が上手く見えてしまう。ただ、これは単なる錯覚であって、2次予選を受けて「日本の攻撃力が向上」などと語るのはもってのほかだ。

韓国やオーストラリアも2次予選は1位通過を決めた。日本の首位通過も当然の結果。

 シリア戦を受けて、「誰が活躍した」「誰が機能した」という話ばかりが溢れると、問題の本質を見失ってしまう。試合を思い返してほしい。岡崎はどこか空回り気味だったし、香川にしても前半は思うように良さが出せていなかった。

 大量ゴールよりも、どれだけチャンスを外したか振り返るべきだ。あれだけチャンスがありながら、たったの5ゴールという視点があってもいい。最終予選では、間違いなく数少ないチャンスをモノにできるか否かが、大きなポイントになるんだからね。

 興業的に考えれば、香川の2ゴール、本田の2次予選6試合連続ゴールなど、明るい話題は多いと言える。ただ、最終予選で今日のような楽な試合はあり得ないし、2次予選で大勝したところで、さほど意味などない。

 もっとも、別に日本のチーム自体に責任があるわけではない。レベルの差があるのは前から分かり切っていたことで、これがアジア予選の現実。だからこそ「2次予選を1位通過」「5-0でシリアを撃破」などと、メディアが必要以上に騒ぎ立てるべきではないんだ。

 あくまで2次予選が終わっただけで、最終予選ではこんなに上手くいかない。他グループを見渡しても、ライバル国の韓国やオーストラリアなども2次予選は1位通過を決めた。日本の首位通過も、ある意味、当然の結果だ。

 その意味では、早く2次予選の結果など忘れて、頭をすぐに最終予選へと切り替えたほうがいい。これは、なにも日本だけでなく、2次予選を通過した国はすべて同様の問題を抱えている。2次予選と同じ感覚で最終予選に臨んだ国は、間違いなく痛い目に遭う。

 日本も無念のベスト8に終わった15年のアジアカップを思い出し、自分たちの立場を謙虚にわきまえたほうがいい。

1/2ページ

最終更新:3月30日(水)16時51分

SOCCER DIGEST Web

五輪招致疑惑を調査へ 解明は不透明

東京五輪の招致をめぐる資金提供問題の調査は、どこまで真相に迫れるかが不透明。同様の疑惑は過去にも。