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建築と展示内容、ともに味わい深くて心に染みる。

Casa BRUTUS.com 6/9(木) 15:00配信

伊勢志摩サミット前の海も空も青々と広がる環境に〈海の博物館〉を訪ねた。クルマは最新のジャガーXF。海沿いのドライブルートの素晴らしさにも改めて感心させられた。

伊勢界隈の有名建築としての筆頭格、内藤廣のブレークのきっかけになったことはよく知られている。全部で6棟の建物が完成するまで7年以上もの時間がかかったこと、厳しい低予算の中、構造にこだわり丈夫な建物に仕上げたことなどエピソードも多い。もともと収蔵品の数が多い上に現時点でも国指定重要有形民俗文化財が約6900点もある本気な博物館だ。館長からの依頼は「200年もつ建物に」ということだった。外観は黒塀に瓦屋根のシンプルなものだが館内は木造船の構造そのもののようで密度が高い。

昨年秋に訪れた気仙沼のリアスアーク美術館もそうだったが、ここではさらに本格的な水産業関連の展示を見ることができる。カツオの1本釣り、鰹節のできるまでなどは手作りのフィギュアによる模型展示で、特に昔の地引き網漁の様子が一目でわかる大型ジオラマは素晴らしい。地元の水産業を知ってもらい盛り上げたいというのはもちろんだが、それゆえに漁業の衰退への危惧、海洋汚染に対する指弾といったシビアな問題提起にも手を抜いていない。海民と彼らが呼ぶ人々が、ただニコニコ笑ってもてなしているだけじゃないんだよ、ということなのだ。

そういえば気仙沼に行ったのはジャガーXEだったが、今回はジャガーのイチ押しモデルのXFである。名古屋~伊勢間を往復するメディア向け試乗会があって約400kmのドライブとなった。

乗り味はとてもいい。ドライバーが何を求めているか、それにクルマはどう応えるのか、その焦点がピシッと合っているのだ。高速道ではどっしり重厚で高級感がある。排気量は2リッターなのに意外なほどの加速力も持っている。そして伊勢志摩スカイラインのようなハンドリングコースに乗り入れると一転、鼻先軽く、深いコーナーにもくーッと気持ちよく切り込んでいく。右に左に振り回しても安定感は高く、うれしくも常にやわらかさしなやかさを伝えてくる。これこそが新時代のジャガーなんだと身体で納得できた。こうなると次期XJも大いに気になる。降りてからクルマをもう一度眺めると、このデザインがストンと腹の中を落ちた気がしたのだった。

text_Hiroki Iijima photo_Tatsuya Mine

最終更新:6/9(木) 15:00

Casa BRUTUS.com

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