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大迷惑な中国海軍、またもリムパックに堂々参加

JBpress 6/9(木) 6:15配信

 6月中旬、ミサイル駆逐艦、ミサイルフリゲート、補給艦、潜水艦救難艦、それに病院船の5隻からなる中国海軍艦隊が西太平洋でアメリカ海軍駆逐艦と合流し、ハワイのパールハーバーを目指す。ハワイ周辺海域を中心に実施される、多国籍海軍合同演習「RIMPAC(リムパック)2016」(6月30日~8月4日)に参加するためだ。

■ 世界最大規模の多国籍海軍演習

 RIMPACは、アメリカ海軍が2年ごとに主催する世界最大規模の多国籍軍海軍合同演習である。1970年代にはアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国海軍によって実施されていた。海上自衛隊がRIMPACに初めて参加したのは1980年であった。それ以来海上自衛隊は毎回参加しており、日本はRIMPACの古参メンバーである。

 RIMPAC2010からは参加国数が飛躍的に増加し、それとともに参加する艦艇数や航空機数も極めて多くなった(図を参照)。そして近年のRIMPACには、海軍艦艇や航空機に加えて、海軍と行動をともにして水陸両用戦に投入される陸上戦力である海兵隊や海軍陸戦隊なども参加するようになり、多種多様の海洋軍事演習が実施されるようになった。

 2012年には、かつてアメリカ海軍の仮想敵であったロシア海軍までもが参加し、中国海軍もオブザーバーとして招かれた。そして前回のRIMPAC2014には、ロシア海軍は参加しなかったものの、中国海軍が正式に参加し、4隻の軍艦をパールハーバーに差し向けたのだ。

■ RIMPAC2014のトラブルメーカー

 2014年には、アメリカ海軍が実施する数多くの軍事演習の中でも最大規模のRIMPACに中国海軍が参加するということで、アメリカ海軍関係者だけでなく一般のメディアの間でもパールハーバーに姿を現した中国艦隊への関心が非常に高まった。

 内外メディアの中国海軍への関心があまりにも盛り上がり、アメリカ海軍当局に対する質疑応答などでもメディアの質問は中国海軍に集中した。そのため、直接の主催者であるアメリカ海軍太平洋艦隊の司令官であったハリス提督(現在は太平洋艦隊の上部機関であるアメリカ太平洋軍司令官)が、「RIMPACには中国海軍だけが招かれているのではない。20カ国の友人たちも参加していることを忘れてもらっては困る」とメディアに苦言を呈する始末だった。

 その中国海軍だが、RIMPAC2014には4隻の艦船(駆逐艦、フリゲート、補給艦、病院船)を公式に参加させた。ところが、それらの演習参加メンバーに加えて、中国海軍情報収集艦「北極星」が合同演習中にホノルル沖を遊弋し、しばしば演習に参加していたアメリカ海軍空母にぴったり寄り添って電子情報の収集に勤しんでいた。

 中国海軍にとってRIMPACは、アメリカ海軍並びに海上自衛隊をはじめとするアメリカ同盟軍の艦艇や各種航空機の電子情報を“まとめて”収集するための何よりの機会であった。

 北極星は、RIMPAC2014参加艦艇の行動を妨害したわけでも、ハワイ諸島沿岸12海里内のアメリカ領海内で情報収集活動を実施したわけでもない。したがって、このスパイ艦による電子情報収集活動は国際法的に問題が生ずるわけではなかった。しかしながら、多国籍海軍演習への参加国が、演習参加艦船以外の軍艦を、それも電子情報収集艦を派遣して、演習に参加している“仲間”の軍事情報を掠め取ろうとする行動は、まさに海軍間の信義に背く前代未聞の出来事であった。

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最終更新:6/13(月) 15:05

JBpress

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