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【中村憲剛の欧州サッカー観戦記】EURO2016の注目ポイントと楽しみ方!

SOCCER DIGEST Web 6/10(金) 6:00配信

過密日程のなかでカギとなるのは――。

 チャンピオンズ・リーグ(CL)の激闘から束の間、EURO2016が6月10日にフランスで開幕しますね。今大会は出場国が16から24に増え、グループステージは強豪国が上手く振り分けられたことで、ガチガチの死の組がない印象ですが、決勝トーナメントに勝ち上がるために最も重要なのは言うまでもなく初戦の出来だと思います。
 
 スペインやドイツといった大国は決勝トーナメントにピークを持ってくるのでエンジンがかかるのが遅く、初戦からエンジン全開の弱小国に足元をすくわれるってこともありますから。
 
 その上でカギとなるのは、戦術はもちろんのこと、一番はコンディション調整だと思います。どこにチーム状態のピークを設定するかで結果が変わってくる。そういった点で言うと、開催国のフランスは日程的に休みが多いので有利だと思います。こういう大会は日程が進むほど試合間隔が短くなるので、1日でも多く休めるのは大きいです。
 
 前回大会の決勝も、中2日だったイタリアが中3日だったスペインに0-4で大敗を喫しましたよね。「なんでそんな動けないの?」と思う方もいるかもしれませんが、緊張感のあるなかで、6試合も7試合も戦っていたら、当然、動けなくもなります。
 
 これだけ日程が詰まったなかで、長丁場のシーズンがやっと終わって一息をつきたい時に、EUROに出場する選手は大変ですよね。2週間のインターバルで体力を回復し、なおかつ、EUROで戦い抜くためにトップコンディションをまた作らなきゃいけないんですからね。
 

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前評判の高くないときのイタリアこそ、注目だ。

 1節で最大の注目カードは、6月12日(日本時間6月13日)のベルギー対イタリアですかね。正直、イタリアはメンバーを見る限りでは苦戦は免れないかなと思います。でも、こういう前評判の低い時のイタリアは、大会前にカルチョポリ(八百長問題)が起きながらも優勝した2006年のワールドカップもそうですけど、かならずと言っていいほど結果を出してくるんですよね。
 
 ズバリ、戴冠のカギは監督のアントニオ・コンテにあると思います。次のキャリアが決まっている人と決まっていない人とでは、背負っている覚悟が全然違います。そんな状況でチームを同じ方向に進ませられるかがコンテに課された大きな仕事。ここでイタリアが勝ち進んだら、コンテの力は相当なものだと思います。
 
 大本命のスペインは大会2連覇を達成した2012年からシャビやシャビ・アロンソもいなくなり、間違いなくサイクルは変わっている。そのなかで彼らが3連覇を成し遂げたら、まだまだ“パスサッカー”の時代は続くと思います。
 
 EUROは注目度が高く、サッカー界に与える影響も大きいので、優勝したチームのスタイルが一種のトレンドになる。なので、個人的にはスペインやドイツの他に別のチームが出てきて、新しいサッカーのスタイルが登場することを期待してます。
 
 ちなみに、開催国ゆえ、絶対に頂点を狙わなければいけないフランスは、国民の声援がマイナスとなるか、それとも後押しになるのかで結果も変わってきますよね。
 
 カリム・ベンゼマという絶対的なエースを欠くとはいえ、FWはオリビエ・ジルー、アントニー・マルシアル、キングスレー・コマン、アンドレ=ピエール・ジニャク、アントワーヌ・グリーズマンと駒は豊富にいるので、彼ら次第だと思います。
 

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最終更新:6/10(金) 6:00

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北朝鮮からの脱出
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