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マックルモア&ライアン・ルイスと共演、伝説のラッパー3人が語る過去、現在、未来

ローリングストーン日本版 6/10(金) 18:00配信

1978年から1984年に活躍した最も偉大なラッパー3人といえば、メリー・メル、グランドマスター・カズ、クール・モー・ディーに違いないだろう。ヒップホップの先駆者的な存在の3人ではあるが、その名は万人に知られるほど有名ではない。だがそれも、マックルモア&ライアン・ルイスとのコラボで変わるだろう。

デビュー・アルバム『ザ・ハイスト』(12年)がプラチナム・セールを記録したシアトル出身のラップグループ、マックルモア&ライアン・ルイス。そのセカンド・アルバムのリード・シングルとされる『Downtown』で、マックルモア&ライアン・ルイスは大御所3人の伝説へのトリビュートとして、彼らをフィーチャリング。豪華な顔ぶれの共演となった『Downtown』のパフォーマンスはMTVビデオ・ミュージック・アワードで披露され、ミュージックビデオもYouTubeで大人気だ。

マックルモア薬物依存からの脱出、ヒップホップの大御所たちとのコラボ裏話

ニューヨーク生まれの才能ある3人が、ヒップホップ(と、ひいては世界のカルチャー)に与えた影響は計り知れない。ロックの殿堂入りも果たした「Grandmaster Flash & the Furious Five」のメンバーだったメリー・メルについては、彼が作詞した伝説の曲「ザ・メッセージ」抜きには語れない。政治や社会問題、ゲットーの悲惨さなどをリリックにした同曲は、今日のケンドリック・ラマーのような社会派ラップの先駆けだった。

クール・モー・ディーは「Treacherous Three」時代に「ダブル・タイム・フロー」と呼ばれる高速で攻撃的なラップ手法を考案。昨今のミーク・ミルとドレイクの確執で盛り上がる批判ラップの応酬の基礎を築いたともいえる。

グランドマスター・カズが参加したヒップホップ・グループ「The Cold Crush Brothers」はヒット曲には恵まれなかったが、ラップにおけるリリシズムや、ヒップホップ映画『ワイルド・スタイル』で見せたようにグループパフォーマンスの基準をつくった。

『Downtown』以前に3人が共演した曲はなく、彼らは何年もポップ音楽の表舞台から遠ざかっていた。クール・モー・ディーが最後にヒットチャートを賑わせたのは、彼の昔の曲『ワイルド・ワイルド・ウエスト』を1999年にウィル・スミスがリメイクしたとき。メリー・メルの場合は、チャカ・カーンの「I Feel For You」(1984年)にラップを添えたときだった。

そして今回の『Downtown』のヒットによって再びスポットライトを浴びた3人のパイオニアたちに、過去と現在、これからについて聞いた。

─『Downtown』に参加することにためらいはなかった?

メリー・メル :話を聞いただけで、いいプロジェクトだと思った。やって悪いことは絶対にない。悩むまでもなかった。

クール・モー・ディー:ビッグ・ダディ・ケインから電話がかかってきたとき、とても丁寧に説明してくれたから、ためらうようなことは何もなかった。彼は背景から話してくれた。まず「マックルモアって誰か知っているか?」って聞いてきて、俺は「もちろん、なんでだ?」って笑いながら返したよ。

その話がどこへ向かっているのかわらかなかったが、俺はバイヴを感じないとだめな人間だ。実際にマックルモアと会って話して、彼のバイヴを感じたくなった。俺たちは(シアトルに)行くとすぐに、ヒップホップやバスケットボール、(ボクシングのフロイド・)メイウェザーの試合について2時間ほど語り合った。まじで2時間、いろんなことについて話した。それで最後にライアンが、「OK、これがその曲だ」って言った。そうやって素晴らしい雰囲気が生まれたのさ。

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最終更新:6/10(金) 18:00

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