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土屋太鳳、黒島結菜、木村佳乃……今期ドラマで活躍する“ドS女子”たち

リアルサウンド 6/11(土) 6:00配信

 土屋太鳳、黒島結菜、木村佳乃など、今期ドラマクールは“ドSな女子キャラ”に注目が集まる機会が多かった。当初は、不倫をテーマにしたものが多いという印象であったが、蓋を開けてみると、不倫ものはもちろんのこと、女性が男性よりも強いキャラクターとして描かれる作品が印象に残っている。本稿では、今期ドラマクールでどんなタイプのドS女子が登場していたのか、各ドラマが最終回を迎える前に振り返えってみよう。

■今期一番のかわいすぎるドS女子、黒島結菜

 今期ネット上で一番話題となったであろうドS女子と言えば、『ナイトヒーロー NAOTO』(テレビ東京)で田之上栞役の黒島結菜だ。EXILE/三代目J Soul BrothersのNAOTOが本人役で主演していることが話題となった。栞は正義感がとても強く悪を成敗することに異常な執念を燃やす女子高生で、NAOTOを覆面ヒーローに仕立て上げ、嫌がる彼を強引に利用して悪を退治する。協力しないと正体をばらすと脅し、1人でも戦うと同情を誘い、NAOTOがその気になると笑みをこぼし、その戦いぶりをひたすら撮影し動画サイトに投稿してはニヤニヤ笑う。映画『キック・アス』のようなヒーローごっこの延長なのか、何か真の目的があるのか分からない栞にはミステリアスな魅力がある。文字だけで追うと本当に嫌な奴なのだが、ショートカット美少女の黒島結菜には何でも許せてしまうビジュアル的なかわいさも備わっている。そんな子が「正義の為なら犯罪ではありませーん」と開き直り、「ボッコボコにしよ。ああいう馬鹿には体にきっちり教え込まないと」などと、ドS発言を連発するのがたまらない。かつてカルピスウォーターのイメージキャラクターを務め、爽やかで清楚なイメージが定着していただけに、いつもとは違う本作の生意気な態度が逆に男心をくすぐり、より彼女を魅力的に映し出していくのだ。

■様々なタイプのドS女子たち

 物理的にダメージを与えるドS女子と言えば、『お迎えデス。』(日本テレビ系)で阿熊幸役を演じる土屋太鳳は外せない。感情むき出しの一直線型な役を演じ、毎回健康的な美脚から繰り出される蹴りが話題を呼んだこのドラマ。近年は清楚な役が多い土屋が真逆の役を演じるという意外性、現役体育大生の能力を活かした役柄、感情が乏しい人間味のない主人公・堤円(福士蒼汰)との対照的な立ち位置のキャラ、というのがドSキャラに至った理由だと考えられる。ただ残念なことに、物語の中盤からはケガで入院する設定となり、華麗なる蹴りどころか、視聴者が楽しみにしている美脚すら見られなくなった。しかし、土屋の代わりに、堤円の妹役である大友花恋が、軽いSっ気を醸し出す良い立ち回りを見せている。普通ではない兄につっけんどんな態度を示し、常に冷たく当たるが心では兄を慕っている、そのツンデレっぷりが実に思春期真っ只中の妹的で実にかわいらしい。大友花恋はポスト広瀬すずの呼び声が高く今後に期待できる女優の1人だ。

 物理的なドS女子でもう1人あげるならば、『99.9-刑事専門弁護士-』(TBS系)で弁護士・立花彩乃役の榮倉奈々だろう。風変わりな弁護士・深山大翔(松本潤)と対照的な位置付けのキャラで、厳密にはドSと言うよりプロレス好きな女子、通称“プ女子“だ。実際にプ女子は急増していて、現代のミーハーな女子を表現している。飛び付き腕十字やモンゴリアンチョップなどのプロレス技を実際に繰り出し、「レインメイカー」などのプロレス好きにはお馴染みの単語が散りばめられているこのドラマ。演出の木村ひさしがプロレス好きで、『民王』で演出をした際にも新日本プロレスネタをふんだんに取り入れていた。榮倉自身が技の意味を理解しているのかは定かではないが、慣れないプロレスネタをやらされている感じが、視聴者の目にはかわいらしく映るのだ。実際、榮倉は「これ世間にどれぐらい伝わるんですかね?」と木村ひさしの演出に疑問を呈したことがあるという。(実はみんなプロレス好きな)スタッフに「(ネタを)知ってる人は手を挙げろ」と聞くとみんな手を挙げ、「伝わるんですね」と榮倉を納得させたという逸話もある。

 そして隠れドS女子の雰囲気を漂わせているのが、『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)の吉岡里帆 。教育実習をする女子大生・佐倉悦子役で、女性経験のない超草食系男子・山路一豊(松坂桃李)に肉食系のアプローチを仕掛けていく役どころだ。しかし、2人の関係が実習生と小学校教師という間柄なので、山路は佐倉に手が出せない生殺し状態を強いられる。愛らしいビジュアルな上に従順な性格をしていながらも、小悪魔的な振る舞いをする佐倉。設定上は間違いなくドSではないのだが、男にとっては殴られるよりもツラい精神的なドSプレイを仕掛けてくるある意味厄介な女性キャラなのだ。

■不倫ものにドS女子は欠かせない

 今期の一番のドSは『僕のヤバイ妻』(関西テレビ系)で木村佳乃が演じる真理亜だろう。自作自演の狂言誘拐を演じ、身代金2億円をだまし取ろうとするストーリー展開の中で、目的の為なら自身の血を抜いたり爪を剥がしたりと、真理亜は平気で身体的な犠牲を払う。愛人と結託して真理亜殺害の計画を企てていた夫(伊藤英明)に対しても、すべてお見通しだがあえて言わず、ジワジワと追いつめ恐怖を与えていく。夫を計画のコマのひとつとして考え、身体的にも精神的にも攻めていくドSっぷりに恐怖を覚えた視聴者も少なくないはずだ。感情的な夫に対し、常に冷静で感情を表に出さずマシーンのように行動する真理亜の対照的なぶつかり合いが人気を得た由縁だろう。

 不倫を題材にしたドラマ『不機嫌な果実』(テレビ朝日系)に出演中の高梨臨も、今後更なるドSキャラとして飛躍が期待できる。主人公の水越麻也子(栗山千明)の友人でありながらも、麻也子の夫・航一(稲垣吾郎)と不倫を重ねる竹田久美役を演じている。夫の不倫で離婚をした経験があり、「不倫なんてやめなよ」「不倫なんて最低」とさんざん周りの友人に言いながら、裏では麻也子の夫と浮気し、他人の家庭を破壊しにかかる。不倫ドラマにおいて必ず出てくる話を掻き回すキーパーソンだ。一見登場人物の中で一番誠実そうに振る舞いながら、裏で麻也子を壊しにかかるドSっぷりが恐ろしく、それは何度も不倫を重ねる主人公を良い者に見せてしまうほど。今回の高梨臨のセクシーな悪女は、彼女にとって新境地と言えるくらい見事にハマっている。

 ほかにもNHK大河ドラマ『真田丸』で「お潰しになったらいかがですか」と側近も言えないことを涼しい顔で言う阿茶局(斉藤由貴)や、『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』(テレビ東京)で、松岡茉優を覚醒させようと本音をズバズバ言う伊藤沙莉など、色んなタイプのドSキャラが登場している。今期のドラマでドS女子が増えた理由を考えると、今年はじめに『ダメな私に恋してください』(TBS系)のディーン・フジオカや、映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』での中島健人などの“ドS男子”ブームがあり、その揺り返し的なものが理由の一つだと思われる。

 また、主人公と対照的なキャラをヒロインに置く、というのがドラマのキャスティングの王道パターンであり、今期のドラマは弱い男や変人といった、最初は頼りない設定のキャラで女性によって徐々に変わっていく、といった展開が多かったのも要因としてあげられる。ドS女子と言うのは、単に強い女性というのではなく、対する人が対峙することでどう変わっていくのか、その影響力も重要なポイント。もしかすると、今世間が必要としているのはヒーローではなくドS女子なのかもしれない。

本 手

最終更新:6/11(土) 6:00

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