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青野尚子の「今週末見るべきアート」|金沢に出現した「西京国」って何ですか?

Casa BRUTUS.com 6/11(土) 12:30配信

“芸術を愛する人々が住む国”、「西京国」が〈金沢21世紀美術館〉にやってきた! 国民は3人、大統領は日替わり、という変わった国だ。国と一緒に金沢にやってきた3人の国民のうち、アーティストの小沢剛とギムホンソックに聞きました。

「西京国にようこそ! みなさん、パスポートは持ってますか?」と入国管理局で小沢剛が呼びかける。でも西京国に入国するのにパスポートは必要ない。そのかわり、入国審査がある。思い切り笑う、歌う、踊る、このうちのどれかをやらないと国境を越えられないのだ。

「西京国」とは2007年に小沢剛、ソウル在住のギムホンソック、北京在住のチェン・シャオションの3人のアーティストが作った国。金沢にやってきた小沢とギムホンソックに西京国とはどんな国なのかを聞いてみた。まず、人口は何人なのだろう?

「基本的には僕たち3人です。家族とか入れると9人? 10人ぐらいだと思います」と小沢。

大統領は日替わりだそうですが、これはどういうこと? 省庁とかあるんですか?

「3人の中で、今日は僕が、次の日はギムホンソックが、というように毎日交代すればいいかな、と思って。○○省とかはありますよ。書いてはないけど、あるはず」

西京国の人が守るべき決まりってあるんですか?

「前にホンソックさんが作ってたよね?」と小沢が言うと、「なんか作ったような気もするけど覚えてない」とギムホンソックが応じる。ちょっと考えてから「思い出しました」と答えてくれた。

「他人を歓待すること、おもてなしをすることですね。単純に人を歓迎するだけでなく、自分とは違う考え方も受け入れ、接待することです」

3人で活動することのメリットは?

「ひとりだと恥ずかしくてできない、と躊躇していたことができるようになります。罪悪感も三等分される。言葉のコミュニケーションは十分ではないですが、家族やスケッチなどを通じて意志が伝わる喜びがありますね。それぞれ育ってきた政治環境が違うから、集まることで世の中のいろいろな問題に対応できるのではないかと思います」(ギムホンソック)

ここで「国家とは何だと思いますか?」とちょっと硬い質問をぶつけてみたところ、ギムホンソックが「シンポジウムみたいですね」と苦笑しつつ、次のように答えてくれた。

「西京国は既存の国とは違います。そもそも国家というものになったことがありません。友だちの家に遊びに行く感覚だと思ってもらえればいいのでは。友だちの家に行くみたいに他の国に行ってもいいかな、といった感じなんです」

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最終更新:6/11(土) 12:30

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