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過去の植民地支配を決して謝罪しないフランス

JBpress 6/13(月) 6:10配信

 フランスは第2次世界大戦では連合国側であり日本の“敵国”だった。そして現在、核を保有する国である。

 そのフランスが、今回のオバマ米大統領の広島訪問に強い関心を示した。「戦死者への敬意、謝罪はせず」(左派系の「リベラシオン」)、「ヒロシマ、オバマ謝罪せず」(保守系の「フィガロ」)というように左右を問わず新聞の見出しには一様に「謝罪」という言葉が並んだ。

 「リベラシオン」は、安倍首相とオバマ大統領が原爆ドームを背景に手を取り合っている写真を掲載した。記事では「71年前、雲ひとつない快晴のある朝、死が空から降り、世界が一変した」という言葉をはじめ、大統領の演説を丁寧に紹介。演説に先立ち、広島平和記念資料館を訪問して自ら折った折り鶴を資料館と子供たちに渡したり芳名帳に署名したこと、原爆死没者慰霊碑で花輪を献花して黙祷したことなどを長文の記事で伝えた。2人の生存者、坪井直さんと森重昭さんと言葉を交わし、元教員の坪井さんの言葉に長い間、耳を傾けたことも丁寧に伝えていた。

 「フィガロ」はオバマ訪問に先立ち、フリー記者のピエール・ジョヴァによる長文の記事を電子版で流した。ジョヴァ記者は、ホワイトハウスのコミュニケーション担当の補佐官でオバマのスピーチライターでもあるベン・ローズが報道陣に配布した文書を紹介した。

 記事では、補佐官が「米国は、我々の指導者と第2次世界大戦に従軍した男女を永遠に誇らしく思う」と述べたことが強調されていた。また、「彼らの大義は正当であり、我々は彼らに非常に感謝している」「今回の大統領の訪問は、戦時中に命を落としたあらゆる無垢の人々の記憶に敬意を表するためである」という補佐官の言葉を取り上げ、広島訪問の目的が原爆の犠牲者への「謝罪」ではないと強調していたことも報じていた。

 ちなみに「ルモンド」は、1面トップで被爆者の森重昭さんと大統領が抱擁している写真とともにオバマ広島訪問を報じた。大統領が2009年にプラハで演説し「核廃絶」を唱えたが、米国の国内世論に屈して実施できない事情など、「反核が妨げられている」状況に主眼を置いた報道だった。

■ ベトナムに謝罪しなかったミッテラン

 それにしても、なぜフランスのメディアは原爆投下への「謝罪」の有無にこだわったのか。

 それは、フランスの「謝罪しない論理」が背景にあるからだ。

 ベルリンの壁崩壊後の1993年、ミッテラン大統領(当時)はフランスの国家元首として初めて共産主義国家ベトナムを訪問した。

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最終更新:6/13(月) 14:30

JBpress

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