ここから本文です

[買収]でドーンと2倍銘柄を探せ!

HARBOR BUSINESS Online 6/13(月) 9:10配信

「親子上場の解消」など、相場が軟調なときこそ買収案件は増加する。億超えトレーダーらが注目している“買収の思惑のある銘柄”なら、2倍増だって狙える!

◆子会社買収、経営統合、業界再編――軟調相場こそM&Aは増加する

 計測制御機器大手メーカーの大崎電気工業は、子会社の大崎エンジニアリングの株式を公開買い付けにより取得すると発表。400円程度だった大崎エンジニアリングの株価は買い付け価格の800円まで一気に高騰した。一般的に、「株価上昇や経営拡大が止まると、企業の合併・買収(M&A)が増える傾向にあります。利益成長の遅れを一気に取り戻そうとする心理が経営者に作用するため」と指摘するのは、株式ジャーナリストの大神田貴文氏。

 資産2.5億円の個人投資家・かぶ1000氏は「企業による買収には3パターンある」と話す。

「一つは親子上場の解消を目的とした『親会社による子会社の買収』です。また、事業拡大や経営の効率化、業界再編などのための『戦略的買収』もあります。さらに経営陣による企業買収、いわゆる『MBO』というケースもあります」

 特に買収で多いのは、「親会社による子会社の買収」だ。

「親子上場は日本独特の仕組みといわれますが、海外投資家には『子会社が少数株主を無視して親会社の利益を優先させる』として評判が悪く、親子上場は解消される流れにあります。子会社買収の有力候補はリコーリース。親会社のリコーが今期3割減益予想なのに対して、リコーリースは増収増益の見通し。リコーリースが好業績を踏まえて配当を増やすと、グループ外にキャッシュが流出することになりますが、完全子会社化すれば配当の全額をリコーが吸い上げることができます」(大神田氏)

 かぶ1000氏も同様の理由で、富士通の子会社、都築電気に注目。

「都築電気は約150億円の現金を持っていて、PBRは0.3倍と割安に放置。配当利回りも3%近い。関係性が強い富士通が完全子会社化する可能性もあります」

◆業界の再編や事業の効率化のための買収も

 買収となれば敵対的と友好的なものもあれば、業界再編やグループ事業再編のほか、業績不振企業の救済型のようなパターンもある。人気アナリストの熊谷亮氏は、「再編が起きやすいのはピークが過ぎた不人気業種」と指摘する。

「港湾運輸大手で商船三井の子会社である宇徳、三菱電機系の設備工事業者である弘電社などは、どちらもPBR1倍割れで割安に放置されています。親会社による子会社化の可能性もあるでしょう」

 また、事業再編的な合併は、業界内で噂話が上がりやすい。

「博報堂グループでは、ネット広告企業のDACの力を強化したい方針があるようで、東証2部のメンバーズやマザーズのユナイテッドあたりを統合するのでは、という噂が聞こえてきます」(株式ジャーナリスト・竹中博文氏)

 業績不振企業にも買収の手は忍び寄る。市場ではアンジェスMGの行方に関心が集まっている。

「資金不足で増資の繰り返しですが、研究で培った創薬ノウハウは貴重で、製薬大手による買収説が何度か流れました」(大神田氏)

 さらに、資産3.4億円の億超えトレーダー・キクチ氏は、大株主の動向からこんな予想をする。

「少し前まで経営危機だった学習塾の市進HDの株を、enaという別の学習塾の経営者が大量取得しています。同業者が買うからには、今後、何か動きがあるのかも? 市進HDは不採算事業を廃止したりリストラをして業績が改善してきているのも好材料です」

 かぶ1000氏も大株主の動向に注目する。茶や酒のエキスなど粉末系素材の製造・卸を手掛ける佐藤食品工業の株を社長が20%以上持っていて、現在91歳。MBOもありえるかもしれない。

 買収は株価の“歪み”を狙われるものだが、自社の株に“歪み”が生じているケースがある。独自の視点で注目銘柄を挙げたのは、資産1.7億円のAkito氏だ。

「伊藤園は普通株のほか、議決権がない代わりに配当が25%高い『優先株』を発行しています。伊藤園の株主優待も配当ももらえる。にもかかわらず、普通株は3640円に対し、優先株は1853円と異常に低いんです。優先株の配当金を上げたり優待を充実させるなど、優先株の株価を上げる何らかのアクションがあってもおかしくないと思っています。優待も配当ももらえるので、気長に持っていてもいい銘柄です」

 軟調相場で増える買収。その思惑を掴めば2倍増も狙えるのだ!

◆2倍も狙える!? 買収の思惑がある12銘柄

リコーリース(東1・8566)

株価3030円/売買単位100株

大神田氏注目!:親会社であるリコーが筆頭株主として株式の53%を保有している。円高に振り回される親会社より業績がよく、親子上場解消の有力候補。機械類リースより金融サービスの収益性が高い

都築電気(東2・8157)

株価504円/売買単位1000株

かぶ1000氏注目!:SI事業のほか、富士通製中心の半導体や電子部品などの卸を手掛ける。150億円ほどの現金を持っているが、PBRは0.3倍と割安。第2位株主で関係性の強い富士通が子会社化する可能性も

信越ポリマー(東1・7970)

株価676円/売買単位100株

大神田氏注目!:親会社である信越化学工業(東1・4063)が株式の5割超を保有し、親子上場解消の噂が絶えない。無借金の高収益企業で高配当だが、PBRは慢性的に1倍割れ状態にある

メンバーズ(東2・2130)

株価562円/売買単位100株

竹中氏注目!:企業Webサイト構築を柱に訪日外国人向けインバウンド事業を推進。株価流動性に難があるものの、今年4月に従来の名証とともに東証2部にも上場。業績は堅調で無借金経営

J-オイルミルズ(東1・2613)

株価364円/売買単位1000株

大神田氏注目!:業務提携を結んだ不二製油グループ(2607)との経営統合が噂される。食用油や油脂類を生産し、納入先も重なる。食品業界は経営統合メリットを発揮しやすいといわれる

アンジェスMG(東マ・4563)

株価600円/売買単位100株

大神田氏注目!:大阪大医学部発の創薬ベンチャー。高い技術力を持つが、収益化が遅れ、決算書には「継続前提に重要事象あり」の注記が付いている。株価は安いが保有特許類は宝の山

宇徳(東1・9358)

株価330円/売買単位100株

熊谷氏注目!:港湾運輸大手。商船三井が66%超を握る。同じ商船三井系の国際コンテナと’11年に合併。PER 6.83倍、PBR 0.55倍と割安に放置されているだけに商船三井の完全子会社化の可能性も

弘電社(東2・1948)

株価282円/売買単位1000株

熊谷氏注目!:三菱電機系の設備工事業者。三菱電機が50%の株を握り、同社依存度は約3割。業績は好調で、想定を上回り営業益増額、増配も。PER 6.32倍、PBR 0.39倍と割安に放置されている

パラカ(東1・4809)

株価1601円/売買単位100株

かぶ1000氏注目!:時間貸し駐車場の運営・管理を行う。積極的なM&Aで成長している日成ビルド工業がパラカ株を買い進めている。対してパラカは、株主優待新設、増配などの買収防衛策を講じている

佐藤食品工業(JQ・2814)

株価980円/売買単位100株

かぶ1000氏注目!:第2位株主は20%超を持つ佐藤会長兼社長。年齢は90歳を超え、保有株をどのようにするかに注目が集まる。現在の株価は900円台だが、2000円でMBOをする可能性も!?

市進HD(JQ・4645)

株価326円/売買単位100株

キクチ氏注目!:千葉県を中心に学習塾「市進学院」を展開。別の学習塾「ena」を運営する学究社の河端真一社長が市進HD株を買い進め、大株主に名を連ねている

伊藤園(優先株)(東1・25935)

株価1853円/売買単位100株

Akito氏注目!:「伊藤園第1種優先株式」といい、議決権がない代わりに普通株の1.25倍の配当がもらえ、株主優待も「100株で1500円相当の自社製品」などがもらえる。株価は普通株の約半値に放置

【大神田貴文氏】

株式ジャーナリスト。国内大手証券会社などを経て現職。マーケット情報に精通しているだけでなく、幅広い人脈を駆使し、個別企業の裏情報も知る事情通。金融、経済政策にも強い

【熊谷 亮氏】

アナリスト。上昇期待株を会員向けに提案。「Yahoo!ファイナンス株価予想」で勝率&連勝1位を達成、2年連続年間MVP受賞。著書に『あなたの人生を劇的に変える株の本 株ドカン』

【キクチ氏】

個人投資家。30代のサラリーマン投資家。保有銘柄は少数精鋭主義を貫く。選び抜いた割安銘柄を大量に保有し、売りの機会に一気に放出するスタイルで、資産3.4億円を築いてきた

【かぶ1000氏】

個人投資家。中学2年から株式投資を始め、投資歴は28年を超える専業投資家。現在の資産は約2.5億円。資産バリュー株への投資を得意としている。ツイッターは@kabu1000

【竹中博文氏】

株式ジャーナリスト。金融証券専門誌を経て現職。株式情報と企業情報の両面から切り込む情報通。推奨銘柄がストップ高になることも多く、マーケット関係者からも注目される人物

【Akito氏】

個人投資家。30代、都内在住。資産1.7億円。ファンダメンタルズに基づくスイングが得意。イベントを狙ったり、デイトレや先物など、幅広いトレードをする。ツイッターは@Akito8868

※株価などのデータは5/28終値時点のもの

取材・文/買収期待銘柄取材班

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:6/13(月) 9:10

HARBOR BUSINESS Online

Yahoo!ニュースからのお知らせ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。