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オレたちは「SONY」を卒業できない。(多田稔 中小企業診断士)

シェアーズカフェ・オンライン 6/14(火) 5:22配信

現在、日経ビジネスオンラインに『オレの愛したソニー』と題する連載が掲載されています。これは、1980年代~90年代のソニー黄金期を知る経営陣OBが、当時を振り返るのと同時に古巣の現状について思うところを吐露するインタビュー記事です。

これまでに登場したのは、ソニー・ミュージック・エンターテインメント元社長の丸山茂雄氏、ソニー本社初代CFOの伊庭保氏、元副社長の大曾根幸三氏です。連載のテーマが、「かつて光り輝いていたソニー・ブランドはなぜ凋落したのか?」ということなので、三氏の言葉も勢い厳しいものになっています。

■逃れがたい「官僚制の逆機能」
三氏が異口同音に指摘するのは、「大賀典雄氏が社長だった90年代半ばまでは創業時のスピリッツが残っていたが、出井伸之氏が社長に就任して以降、組織が硬直化してダメになった」ということです。確かに、1994年にプレイステーションを世に出して以降、ソニー発のイノベーティブな製品は生まれていません。

これは組織論でいうところの「官僚制の逆機能」という状態を表しています。組織にはライフサイクルがあり、誕生期から成長期にかけては分業体制の構築や業務手順のルール化など、官僚化が進みます。これはむしろ必要なことで、官僚化されることで管理体制が効率化し、業務遂行がスムーズに行われるようになります。

しかし、組織が肥大化し、ライフサイクルの成熟期を迎えるころになると、官僚制による弊害が出てきます。これが「官僚制の逆機能」です。典型例は、稟議や社内手続きに時間がかかって意思決定が遅れる、現場の面白いアイデアが上層部の無理解によって潰される、といったことです。三氏の話の中にも、これに類するエピソードが登場しています。

大企業と呼ばれるまでに成長した組織なら、官僚制の逆機能はどこも経験することです。これを克服するためには組織の活性化が必要で、その手段として、小さいことでは社内ベンチャーやプロジェクトチームの立ち上げ、大きいことでは事業売却やM&Aによる事業ポートフォリオの入れ替えなどを行います。

ソニーと同じ電機メーカーでは、車載システム事業を稼ぎ頭にまで成長させたパナソニックや、重電事業から情報インフラ事業への業態転換に成功した日立などは、官僚制の逆機能を克服した例と言えるでしょう。

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最終更新:6/14(火) 5:22

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