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優秀な経営者が「やらないこと」を決める理由 (森山祐樹 中小企業診断士)

シェアーズカフェ・オンライン 6/14(火) 5:40配信

トレードオフとは「どちらか一方を得ようとすれば必ずもう一方を失う二律背反の状況」の意味であり、ビジネスにおいては、何かを達成するために別の何かを犠牲にしなければならない関係を意味し、いわゆる「あちら立てれば、こちらが立たぬ」に相当する。

■トレードオフ
 企業戦略においては、この「トレードオフ」、つまり「何をやらないかを決めること」は経営者にとって非常に勇気のいる判断であり、戦略の妙味でもある。特に、マスマーケットを対象とする製品やサービスを提供する企業は、トレードオフを実行することにより自社の販売ターゲットの幅を狭めてしまうことに対する恐怖心から、強烈なトレードオフを実行できる経営者は多くはない。

しかしながら、企業が何をやらないかを決めることにより、事業や製品、ターゲット等の選択と集中が進み、有限な資源の効率的な活用を可能とする。それにより、選択された事業又は製品の品質や魅力が向上することにつながり、最終的には競争力強化に辿り着く。これは、トレードオフ=何をやらないかを決めることが、その企業の製品やサービスの競争力の源泉につながってくるのである。

■企業は何をやらないと決めたのか
 身近な事例として、ブルーボトルコーヒーでは、出店場所の選択(清澄白河)により、顧客として高単価であるが時間のないビジネスマンをターゲットとしないことを決めた。また、コーヒーを提供する店舗には通常期待される、利用者がくつろげる空間を提供することも捨てている(少数の椅子の設置はあるが、利用客数に対し十分ではなく、店舗でゆっくりするサービスは提供していない)。

これにより、店舗でのコーヒー品質向上のための焙煎や新鮮な豆の保管スペース、1杯ずつの淹れたてコーヒーを提供するための必要な空間を作り出し、コーヒー品質に注力することで競争力を高めている。

また、スターバックスコーヒーでは、顧客に第3の場所を提供するため、くつろぎの空間を作り出していることは周知の事実であるが、そのため、コーヒーの注文から提供までに時間をかけ、忙しい顧客をターゲットから外す選別を行っている。(=時間のない、忙しい人をターゲットとしないことを決めている)

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最終更新:6/14(火) 5:40

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