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芥川賞受賞作『火花』を世界へ:廣木隆一を筆頭に日本映画界の才能が集結

ローリングストーン日本版 6/14(火) 18:00配信

芥川賞を受賞し、大きな話題となった又吉直樹(ピース)原作の『火花』。映像化が待たれていた本作がNetflixでドラマ化、世界190カ国に同時配信されている。監督は、総監督の廣木隆一、白石和彌、沖田修一、久万真路、毛利安孝という日本映画界が誇る5人。今回は豪華メンバー全員が揃い、遊び心の詰まった制作秘話を明かしてくれた。



―廣木監督がまだいらっしゃっていませんが、早速お話を伺いたいと思います。今回はオンラインストリーミングされる"ネットドラマ"ということで、普段とはまたちがった挑戦ができたかと思うのですが、いかがでした?

白石:僕は今回、3話と4話を担当したんですけど、3話の頭に林 遣都くん演じる徳永と波岡一喜くん演じる神谷が歩いているシーンがあるんです。飲んだあとにふたりがただ歩くだけなんですが、通常の映画やドラマだったら15秒ぐらいになっちゃうところを10分ぐらいかけていて。普段はもう少しギリギリで描く部分を、すごく豊かに表現できたのは良かったですね。本作の世界観にもマッチしていると思います。ただ、とにかく自由なぶん、逆に頭を悩ませることもありましたが。

―(笑)沖田監督は5、6話を務めていらっしゃいますが、モノクロ映像や突然のフランス語などユニークなシーンが満載でした。

沖田:フランス語のシーンは日本語の訳に加えて字幕もつくので、きっとどこを見りゃいいんだかわからなくなりますよね(笑)。ただ僕は、ネットドラマだからっていうのはあんまり考えずに単純に面白いことをやろうと思ってました(笑)。配信ならではの、いろんな楽しみ方ができるとは思ったんですけど、それに合わせて自分の演出を変えられるほど器用ではないというか。今までやってきた方法に遊び心を加えつつ、撮っていった感じです。

久万:やっぱり、通常ではできない自由な尺で作れる良さはありましたよね。"原作の持ち味を大切にして欲しい"ということぐらいで、特に制約もありませんでしたし。連続ドラマって、次の回が気になるような引きを1話ごと、終りの部分に作れと言われることが多いんですけど、今回はそういうことも言われなかったから。

沖田:次の回のための引き・・・そっか、確かにそうですよね。


(C)2016YDクリエイション

久万:"うわ~、神谷が大変なことになってる! この後どうなるんだ?"とかね(笑)

全員:(爆笑)

久万:(笑)僕自身は、190カ国で配信される作品ということで、最初はどうしようかなといろいろ考えたんです。でもそれぞれの国のことはほとんど知らないし、結局は自分がわかる今の日本のことをちゃんと描ければいいんじゃないかなと思って。

毛利:僕 は見た方から"ドラマなんだけど映画っぽいね"と言われました。映画監督が撮ってるから当たり前なんだけど(笑)。でもそういった映画的な表現を許容して くださったので、僕が担当した2話では、新しい何かをやるというよりは"今まで培ってきたことをやるしかない"という思いで挑みました。

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最終更新:6/14(火) 18:00

ローリングストーン日本版

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