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既に売上高1兆円、UBERはタクシーを駆逐するか?

JBpress 6/14(火) 6:10配信

 しばらく前のことです。「AI」とか「ビッグデータ」という言葉に「よく分からない恐怖心がある」という方からお話を伺いました。

 「人間の脳を超える知性」なんてものが出てきたら、いったい世の中はどうなるのだろう。元来ITとかコンピューターは苦手な方だ。もしかすると仕事がなくなってしまうのではないか・・・。

 そんな懸念をお持ちでした。確かに「AI的なるもの」が発達することで、なくなる仕事や変質する業界があるのは間違いないと思います。

 しかし、ほとんど影響を受けない分野、AIやビッグデータ的アプリケーションが普及することが伸びる業種などもあるはずです。

 少し関連の問題を考えてみましょう。

■ UBERはTAXIを駆逐するか? 

 例えばUBERというシステムがあります。自動車を配車するウエブサイトでありアプリケーションですが、2009年にスタートしてまだ10年を経過しませんが米国の市民生活になくてはならないものになっている。

 一言で言うと「オンデマンド・タクシー」のようなもので、スマートホンから「配車してくれ」と呼び出すと、(地域にもよりますが)3~5分くらいで自分のいる場所に車がやって来て、行きたい場所まで運んでくれる。

 しかもでタクシーよりずっと安い。支払いはキャッシュレス、すべてクレジットカードで行い、利用した記録、経路などもすべて残っており間違いが起こる確率が極めて低い。

 日本でも2013年から羽田空港と都内の一部を結ぶエリアで営業が許可されていますが、他の地域でのUBER展開は「白タク営業に当たる可能性がある」として許可が下りないといった事態が発生しています。

 UBERのシステムはAIやビッグデータが持つ美点・長所とリスクを典型的に示しているように思うので、これを例に説明してみましょう。

 UBERが通常のタクシーと違うのは「営業所が(いら)ない」ことです。車に乗りたい人Xさんががシステムにアクセスして、

 「いま自分はA地点にいる。B地点まで運んでくれ」

 というリクエスト情報を送ると、A地点近くにいる、UBERに登録しているドライバーたちに「注文があったよ」というコールがリリースされます。

 「よし、このお客、俺が拾った!」と1人のドライバーY氏がそれを受けると「受付済」の情報が流れ、他のドライバーたちは次の客待ちとなる。

 商談を成立させたドライバーY氏からのコールがお客のXさんに届き、商談成立。お互いのファーストネームが分かり、お客の立場からは車の車種やナンバープレートなどの情報も知ることができます。

 客が待っている正確な場所が分からないとドライバーから携帯電話に「どこにいるの?」という連絡があったりもする。

 いずれにせよ、都市部であればどこにいてもすぐに車は来るし、行きたいところまで運んでくれ、しかも上のようなシステムがすべて電算化されているのでローコストで済み、お客が支払う金額はタクシーより安く、ドライバーが手にする報酬はタクシー並みかタクシーよりも高かったりもする。

 UBERの売り上げは2015年に1兆円を超える規模に急成長しており、税金もしっかり納めているので国や自治体も文句なし、近江商人もびっくりの「三方良し」の経営・・・と言いたいところなのですが、これではたまらないというのがタクシー会社でしょう。

 UBERと通常のタクシーとは何が違うのか? 

 端的に言えば、中間コストが極限まで圧縮されているので、産業規模という観点からは、法で禁止されない限り、タクシー業界にUBERが押されていくのは間違いないように思います。

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最終更新:6/14(火) 12:10

JBpress

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