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フジテレビの月9ドラマ『ラヴソング』の福山雅治さんは、なぜ「ベタな二枚目」を演じたのか? (多田稔 中小企業診断士)

シェアーズカフェ・オンライン 6/15(水) 5:00配信

フジテレビの連続ドラマ『ラヴソング』が6月13日、最終話を迎えました。全話平均の視聴率は8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、同社の看板ドラマ枠「月9」で史上最低の数字を更新する結果となってしまいました。

当初、『ラヴソング』は、人気俳優・歌手の福山雅治さんが3年ぶりに「月9」の主役を務めるということでかなり話題になりました。しかし、初回視聴率は10.6%と思いのほか伸び悩み、結局その後も挽回ができずに終わりました。

■“敗因”はどこに?
注目度が高かっただけに、初回放送直後から視聴率低迷の“敗因”探しがネットやメディアを賑わせました。その中で散見されたのが、今回のドラマのヒロインが20歳であることに絡めて、「47歳で、実生活で結婚もした福山さんが娘のような女の子と恋愛を演じるのは無理がある」という意見です。

しかし、実際のドラマを観ると、福山さんは相変わらずカッコよく、「これなら20歳の女の子も恋するだろう」というリアリティを十分保っていたと思います。内容についてはいろいろな意見があるでしょうが、個人的には、浮ついたところがなく大人の鑑賞に堪えうる良いドラマだったと思います。

その一方、視聴率というビジネス的な観点で評価すると、福山さんが今回演じた、「元ミュージシャンで、軽い中にも一本筋の通った二枚目」という役柄は、あまりにイメージ通りで意外性に乏しかったかな、という印象を持ちました。もちろん、視聴率が伸び悩んだ原因は一つではないでしょうが、このキャラクター設定がありきたりすぎて、多くの人を巻き込む話題性がなかったことは要因として挙げられるでしょう。

芸能界は門外漢の私には、テレビドラマの企画がどのようなプロセスで決まるのかは知る由もありません。しかし、素人なりに疑問に思ったのは、「なぜ、ドラマのスタッフは福山さんにこんな“いかにも”な役柄を設定したのだろう?」ということです。

■行動経済学でスタッフの心理を推察
この心理を説明する理論として、行動経済学の「プロスペクト理論」という考え方があります。「プロスペクト理論」とは、平たく言えば、「人は失敗による損失が大きいほど、確実な選択肢を選ぶ」という心理を説明する考え方です。

例えばここに、「確実に5万円もらえる状況A」と「ほぼ間違いなく5万円もらえるが、上手くいけば25万円もらえるかもしれない。しかし、何ももらえない可能性も1%程度ある状況B」があるとします。このとき、普通の人は状況Aを選ぶ、というのがプロスペクト理論の示唆するところです。なぜなら、「何ももらえない」という損失の前では、確実にもらえる5万円は、リスクのある25万円より高い価値となるからです。

これを、今回の『ラヴソング』のケースに当てはめて考えてみましょう。ドラマスタッフが、「福山さんに従来通りのイメージの役を演じてもらえば、そこそこの視聴率は堅い」と思ったとします。これが状況Aです。一方、「これまでのイメージにない役柄で新境地を開けば、もっと高い視聴率が取れるかもしれない。しかし、受け入れられずに低視聴率になる可能性もある」と思ったとします。これが状況Bです。

もうお分かりだと思いますが、この思考回路に入ったら、よほど意識するか、もしくはギャンブラー的体質を持っている人でない限り状況Aを選択します。「せっかく福山さんをブッキングできたんだから、ここは大事に行こう」という心理になりやすいのです。

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最終更新:6/15(水) 6:26

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