ここから本文です

就活の手を抜くと、過去の自分を恨んで生きる事になる (塚崎公義 大学教授)

シェアーズカフェ・オンライン 6/15(水) 5:15配信

後輩の学生から「第一志望が2社あって、絞り切れない」との相談を受けました。以下が私の回答です。

■自分探しが最重要
まずは、両社とも受けてみて、両方から内定をもらった段階で改めて真剣に考えれば良い事だ、と気楽に考えよう。面接の日程がどうしても重なっていて片方しか受けられない、という場合もあるから、そうなった時に備えて仮の順位付けをしておく事は必要ではあるが、その時点での両社のリクルーターから受けている感触なども微妙に影響するので、臨機応変に対応することが重要だ。

両社から内定をもらったら、真剣に調べ、悩み、考えよう。人生の岐路の選択を、神様や他人が決めてくれるなら楽なことだが、自分で決めるのは辛いことだ。決定に対する責任を生涯自分で負わなければならないからだ。

私は、自分が今の学生だったら第一志望を何処にするか、自信を持って決断する事は出来ない。だから、君に対しても、候補の一方を勧めるようなアドバイスは出来ない。しかし、君が自分で決断するに際し、何を考えるべきか、というアドバイスなら出来る。

まず、君の人生観だ。君は仕事に何を求めるのか。金か、名誉か、生活の安定か、ワークライフ・バランスか、職場の雰囲気か、仕事の面白さか、日本経済への貢献か。その人生観に沿った職場がどこか、という観点で各企業を比較してみることだ。

性格も重要だ。積極的なのか消極的なのか、他人を押しのけても前へ出るタイプなのか協調性を大切にするのか一人でコツコツ仕事をするのが好きなのか、等々をよく考えることだ。君の性格に相性の良い職場と悪い職場があるので、自分の性格を分析した上で、それに合った職場を選ぶことだ。

人気企業だから、と思って入社しても、自分のやりたい事ができなかったり自分の性格に合わなかったりしたら、決してハッピーなサラリーマン人生とは呼べないだろうから、ここが最重要であることは疑いない。

■企業研究も必須
企業研究も、当然ながら必須である。まず、30年後の両社、少なくとも両業界がどうなっているか、予測してみることだ。今がどうであれ、30年後に傾いているような企業を選んで就職する必要はないからだ。「10年間でノウハウを身に着けて起業しよう」と考えている場合にはその限りではないが、将来の起業(または政治家への転身等々)を考えているならば、いわゆる普通の人気企業ではなく、起業のノウハウ等を得やすい業界はいくらでもあるはずだ。

次に、職場についての研究が必要だ。人事部や人事部から紹介された社員は、都合の良いことしか言わないから、そうではなく、サークルの先輩等々を頼って社員に話を聞くことだ。大学の就職サポートセンターに頼んでOB・OG訪問をさせてもらっても良いだろう。もちろん、その前に公開情報をしっかり研究しておくことは当然だ。その上で、君の人生観や性格に向いた職場か否かを見極めることだ。

■後悔しないためには、真剣に調べて悩むこと
学生が限られた情報の中から判断しても、30年後に「真剣に悩んで考えたからこそ正しい選択が出来た」と言える確率は高くないだろう。したがって、「真剣に調べたり悩んだりする事のコストパフォーマンスは低い」と君は思うかも知れない。しかし、私はそうは思わない。大切なことは、とにかく真剣に悩み、調べ、考えることだと思う。

最大限の努力をしたならば、仮に将来残念なことになっても、「運が悪かった」と思って神様を恨んで生きれば良い。最悪なのは、「あの時もっと真剣に調べていれば」といった後悔をすることだ。その場合、過去の自分を恨んで生きることになる。これは大変に辛いことだ。そうならないためには、今の段階で精一杯の努力をしておくことだ。

もちろん、就職活動も精一杯頑張ることだ。第一志望を真剣に選んでも、就職活動の手を抜いて第一志望に不採用になってしまっては元も子も無いからだ。

君の将来が素晴らしいものになる事を祈っている。

君より少しだけ人生を長く経験した者より。

塚崎公義 久留米大学商学部教授(兼就職部長)

最終更新:6/15(水) 5:15

シェアーズカフェ・オンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

シェアーズカフェ・オンライン(SCOL)

シェアーズカフェ株式会社

SCOLはマネー・ビジネス・ライフプランの
情報を専門家が発信するメディアです。
現在書き手を募集しています。特に士業や
大学教授、専門家を歓迎します。

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。