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韓国に圧倒的に負けている日本の米国での情報発信

JBpress 6/15(水) 6:10配信

 日本にとって、国家や国民の真実を世界に発信して伝えることの重要性は言を俟たないだろう。特に歴史認識に関しては、日本が厳然たる事実を事実として国際的にきちんと主張してこなかったため、日本国家は国益を損ない、国民も評判や名声を大きく傷つけられている。慰安婦問題などはその氷山の一角であろう。

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 日本が対外発信をする際は、同盟国である米国に向けてのメッセージが特に重みを持つ。それは、何よりも米国の政策や世論が全世界に大きな影響を及ぼすからだ。その意味で、何をどのように米国に向かって発信するかは、日本だけでなくすべての国にとって重要な意味を持つと言ってよい。極端な場合、米国への情報発信の成否がその国の運命を左右することさえある。

 このような背景を踏まえて、米国の首都ワシントンにおける日本政府の情報発信の様子を眺めてみよう。韓国政府がワシントンで米側の官民に対して何をどのように発信しているのかと比較しながら、日本政府の情報発信の現状を報告してみたい。対米発信において、日本と韓国はゼロサムの関係にあると言っても過言ではない。つまり、一方にとってのプラスが他方へのマイナスとなる競い合う関係にあるということだ。

 なお、ここでの対米発信は、米国の政府や議会へのロビー工作、働きかけ、根回しといった“裏側”の動きはひとまず除外して、公開の場での発信活動に絞ることにする。

■ KEIの所長は共和党の下院議員を20年務めた人物

 韓国政府のワシントンでの情報発信の主役は「米韓経済研究所(KEI)」である。KEIは韓国政府によって創設され、韓国政府の資金で運営されている。韓国当局の米国での「外国代理人」として米側の司法省へ届け出ている対米発信機関である。

 私は、ワシントンで開かれるKEIの行事に頻繁に出かけることにしている。KEIが主催するシンポジウム、討論会、発表会などで、米韓関係や朝鮮半島情勢に関わる動きを取材するうえで参考になる情報を得られることが多いからだ。

 2016年2月のことだった。

 「KEI所長のドナルド・マンズロです。本日はようこそ」

 つい最近まで米国議会の下院で活躍していたベテラン政治家が、わざわざ私の席まで歩み寄ってきて挨拶をした。まさか所長が挨拶に来るとは思わなかったので半ば驚きながら、私も挨拶をした。

 KEIはワシントン中心部のビルの一角にある。

 その定款で「韓米両国間の対話と理解を促進する」とうたうように、KEIは米国とのつながりを深めるべく2年前まで共和党の下院議員を20年も務めたマンズロ氏を所長に雇ったのだ。

 マンズロ氏は下院で外交委員会のアジア太平洋小委員長を務め、米韓同盟だけでなく日米同盟の強固な支持議員として知られてきた。北朝鮮の日本人拉致を強く糾弾し、訪米した「家族会」代表らとも快く面談してきた。そんな実績のある政治指導者を、韓国政府は対米発信機関のトップに据えたのである。

■ 政治、外交に関する時宜を得たテーマでシンポジウム開催

 しかも、KEIの公開行事であるシンポジウムの内容が充実している。米韓関係や朝鮮半島の政治、安保、経済に関わる主要課題をタイムリーに正面から取り上げるのだ。

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最終更新:6/15(水) 6:10

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