ここから本文です

フェニックスバイオ藏本社長「当社の知名度は海外のほうが高い」

会社四季報オンライン 6/15(水) 19:11配信

 3月に東証マザーズへ新規上場した広島・東広島に本社を置くフェニックスバイオ <6190> は、広島大学発のバイオベンチャーだ。人間とほぼ同じ機能の肝臓を持つ「PXBマウス」を使った、クスリの前臨床試験の受託サービスが事業の柱。肝炎治療薬の効き目を調べる試験の受託がメインで、肝炎関連だけでなくすべての新薬の候補を対象に、人体に取り込まれてからのクスリの動きや毒性、安全性などを評価・分析するDMPK/Tox試験も近年は増加傾向にある。今後の事業展開などを同社の藏本健二社長に聞いた。

■ 米国で認められなければ成功といえない

 ーー人の肝細胞を移植した「PXBマウス」が強みです。

 マウスはクスリの動物試験の段階で使う。移植によって約8割は人の肝細胞に置き換わっている。むろん、血液や肝臓以外の臓器はマウスのもの。100パーセント人間、というわけではないが、他の動物による試験でも同じこと。人に近いデータが得られるということで評価が高まってきた。

 マウスを自然交配させれば大量に作ることは可能。だが、当社は1匹ごとに移植手術を施している。手術は10人ぐらいのチームが流れ作業で対応。手術の巧拙は非常に大事だ。手順などをしっかりと確立させておく必要がある。

 ーー売り上げの多くは肝炎関連の受託試験ですが、開示資料には「大きな伸びは見込めない」との記載があります。

 B・C型肝炎は人にしか感染しない病気。人の肝臓がなければウイルスが増殖しない。そこで、肝臓疾患を持つマウスに人の肝細胞を移植する。

 C型肝炎については、すでに米ギリアド・サイエンシズ社やブリストル・マイヤーズ・スクイブ社などの治療薬が製造販売承認を受けた。一方、B型肝炎の治療薬は現在、開発段階。世界中で開発されているB型肝炎薬の大半は当社のマウスを使っている。われわれの試験に対する高い評価の表れだ。

 だが、あと数年もすれば、B型肝炎の治療薬も開発が終わるだろう。だから、それに代わる分野を開拓する必要がある。

 ーーその一環として、米国に拠点を持つ海外の製薬会社に対してマウスの販売を積極化させる考えですね。

 製薬メーカーは自ら開発のシステムを有し、多くの関連データを保持している。できれば、こうしたデータを外に出したくない。だからこそ、これからはマウスを納めることに取り組んでいきたい。

 日本の場合、遺伝子改変動物の流通が難しいうえ、人の細胞を移植しているため、倫理的な面からの制約もある。その点、アメリカは「自由にやっていい」というのが基本的な考え方。世界中のメガファーマの拠点がアメリカにある。クスリに保険点数がつかず、自由に値段をつけるのが可能。新薬開発の環境は恵まれているのだ。

 アメリカのマーケットは圧倒的。「そこで認められなければ成功しない」という覚悟で事業を始めた、日本でどれだけ認められてもダメとの考えを貫いている。当社のネームバリューは日本よりもむしろ海外のほうが高い。

1/2ページ

最終更新:6/16(木) 19:41

会社四季報オンライン

会社四季報オンラインの前後の記事

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。