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なんでもサラリとこなす有能な人材が陥りがちな「罠」とは?

HARBOR BUSINESS Online 6/16(木) 16:20配信

◆企業研修講師・原田まりるの「エニアグラムで考える対人関係」その5

 先日、ある企業の役員秘書をしている知人女性の相談に乗っていた時にこんな言葉が飛び出しました。

「私は元々秘書ではなく営業で入ったけれど、入社してしばらくして役員秘書になるよう指示を受け、いまの業務につくことになった」

 彼女としては役員秘書が向いているようですが、私はその言葉を聞いて驚きました。なぜかというと、以前も彼女のように営業職で入社したものの、しばらくして役員秘書に誘われたという同じ経歴の人物を3人ほど知っていたからです。

 そして、その人たちは皆偶然にも、エニアグラムの観点でいうと「タイプ3・達成者タイプ」だったのです。

◆抜擢されやすい「タイプ3・達成者タイプ」とは?

 この「タイプ3・達成者タイプ」というのは、ひとことで言うと「企業が欲しがるタイプ」だと言えます。

 研修先の企業にも、エニアグラムに造詣が深い人事担当の方がいらっしゃいますが、「達成者タイプの社員が欲しい」とよく口にしてらっしゃるように、会社組織の中でこの達成者タイプは尋常ではない有能ぶりを発揮する傾向にあります。

 では、この「タイプ3・達成者タイプ」、いったいどんな特徴があるのでしょう?

「タイプ3・達成者タイプ」は、得てして次のような特徴を持っています。

・経過より結果を重視する。

・野心家であり社会的成功者への憧れが強い。

・努力家ではあるものの、努力を人に見せず「さらっとやってのける有能な自分」を演出する。

・初対面では社交的で人当たりがよい。

・成功のためならば、時として人を駒のように扱う。

・ハイソサイエティーな自分に憧れるため、自慢話が多い。

・競争心が強いため休むことが苦手でワーカーホリックになりやすい。

 達成者タイプは、仕事での成果を重視するため外資系金融や広告代理店など就職が難関とされる企業で活躍できるタイプで、社会性にも長けています。また、上司からなにかタスクをお願いされたら、上司の予想の範疇を超える圧倒的な有能ぶりを発揮して期待に応えようと務めるという特徴もあります。まさに「スーパービジネスマン」ですね。

 相談を受けた知人女性も「“締め切りは来週中”とお願いされたタスクがあれば今週の日曜日までにクオリティの高いものを仕上げて提出する」というほどでした。

 では、そんな完璧主義者の彼女を筆頭に、「タイプ3・達成者タイプ」が陥りがちな悩みとはいったい何なのでしょうか?

◆抜群に優秀な「達成者」が陥りがちな罠

 有能な達成者タイプですが口を揃えて、相談するある悩みがあるんです。

 それは「休めない」というもの。

 この「休めない」というのは、実質的な休日が無いという意味ではありません。どうも、「休むことに罪悪感をもってしまう」ようです。

 話を聞くと、自分が休んでいる時間が無駄に思え、休みはスキルアップするために効率良く使えるのではないか。自分がだらだらしている間に誰かに追い抜かれてしまうのではないか?と思うと、予定をたくさん詰め込んでしまう、手帳に空白の日があると怖いという人が多いのです。

「タイプ3・達成者タイプ」は、リフレッシュのための予定ではなく、スキルアップ・人脈獲得のための予定を詰め込んでしまいがちです。

 この傾向が行き過ぎると、ワーカーホリックになりやすく仕事に夢中になるがあまりプライベートの人間関係がおざなりになってしまったり、体に無理をさせてしまうことになります。

 もし、ご自身がこのように考えがちな「タイプ3・達成者タイプ」だと思ったならば、「休むことも仕事のうち」だと自分に言い聞かせてみてください。

 また周囲に、このタイプがいる場合は、彼らが影で行っている努力を汲み取ってあげましょう。

 達成者タイプは基本的に“格好をつけたい”ので大勢の前ではなく、二人きりのときに「本当はすごく努力家だよね」という評価をしてあげることで肩の力を抜いてあげられることができると思います。

<文/原田まりる Twitter ID:@HaraDA_MariRU>

85年生まれ。京都市出身。作家・哲学書ナビゲーター。高校時代より哲学書からさまざまな学びを得てきた。著書は、『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)。元レースクイーン。男装ユニット「風男塾」の元メンバー。哲学、漫画、性格類型論(エニアグラム)についての執筆・講演を行う。ホームページ(https://haradamariru.amebaownd.com/)

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:6/16(木) 20:24

HARBOR BUSINESS Online