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【ド軍番米国人記者の眼】前田健太、新人王には少し歳を取り過ぎている? 日本人選手が活躍するたびに再燃する投票問題

ベースボールチャンネル 6/17(金) 6:50配信

メジャー1年目から安定した成績

 日本人選手がメジャーリーグで新人王に輝いたのは、過去3度ある。96年の野茂英雄、00年の佐々木主浩、そして2001年にシアトル・マリナーズに入団したイチローだ。

 以来、もう15年も経つが、今シーズンは再び日本人選手にそのスポットライトが当たるかもしれない。そして、その栄誉に最も近い場所にいる選手が、ロサンゼルス・ドジャースの前田健太だ。
 現在同じナリーグで、前田の新人王受賞に待ったをかけそうな選手は1名しかいない。前田よりも防御率が良い、唯一の選手であるニューヨーク・メッツのスティーブン・マッツ投手だ。

 リーグ全体で見てみると、前田よりも奪三振数が多いのはアリーグのコロラド・ロッキーズのジョン・グレイのみ。だが、この2選手とも、被打率の低さは前田(.211)に叶わない。

 もちろん、6月の月間スタッツだけで新人王が決まるわけではない。
 だが、前田の活躍を見ていると、投票権を持つ我々米国野球記者協会(BBWAA)の面々も、自分たちが、まだどの賞の投票をするのかが割り振られていないのに、つい、議論を繰り広げてしまうのだ。

 28歳の前田当人にとって、この賞はどんな意味を持つだろうか?

「もちろん、受賞すれば素晴らしい栄誉で、名誉なことだと思います」と前田は語る。「でも、新人王をもらうには、少し歳を取り過ぎていますかね」とも付け加えた。

松井秀喜が受賞しなかったのは年齢

 前田の視点は、我々BBWAA会員が、常にジレンマを感じる点だ。
 日本人選手は、毎年メジャーリーグの新人王候補に名前が挙がる。しかし、投票する側としては、彼らのスタッツ以外の要素を検討しなければならない。「すでに母国で経験豊富な日本人選手と、今からキャリアを積もうとしている若手メジャー選手を同じ土俵で比較してもよいのかどうか」をよくよく検討しなければならないのだ。

 そして、この点こそが、毎年我々の頭を悩ませる原因で、かつ、イチローの受賞以来、日本人選手に新人王が出てこなかった理由でもある。

 例えば2003年には、松井秀喜がニューヨーク・ヤンキースに入団したアリーグ新人王候補にのぼった。打率.287、16本塁打、106打点、出塁率は.353だった。さらにそのシーズン、アリーグの左翼手の中で群を抜き、補殺数11を記録していたのだ。

 結局、この年の新人王は、松井ではなく、カンザスシティ・ロイヤルズのアンヘル・ベロアが受賞した。ベロアのスタッツは素晴らしく、打率.287、17本塁打、21盗塁と松井同様の数字を残していた。だが、彼の出塁率(.338)、打率(73)は、松井に比べて随分低く、失策数はアリーグ最多を記録していた。その点が今も気になっている。

 それでもベロアが新人王を獲得した背景に、この年齢の差があった。ドミニカ共和国出身の遊撃手であるベロアは、当時25歳。松井は29歳だった。

 この年齢の差を考慮すべきだったのかは、今でもわからない。

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最終更新:6/17(金) 7:06

ベースボールチャンネル

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