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個別株投資をしている人は投信を買わなくても良いのか

会社四季報オンライン 6/17(金) 16:31配信

 四季報オンラインの読者は、日本の個別銘柄に投資しているケースが大半だと思います。投資信託には興味がないという人も多いでしょう。確かに、個別銘柄投資である程度のリターンを上げていたら、投信のように他人に運用を任せるよりも、自分で運用したほうがいいと思うのは当然です。

 でも、投資スタイルによっては、リスクヘッジの手段として投信を合わせて保有したほうがいいケースがあります。

 株式投資のスタイルは、時々刻々と動く株価を追いかけている短期トレーダーと、長期にわたって株式を保有し続ける長期投資家に分かれます。このうち短期トレーダーは、損切りこそが最大のリスクヘッジ手段になるので、あえて投信を買う必要はないでしょう。

 これに対し、信用売りをせず、長期で個別銘柄を保有する投資家の場合には、資金の一部を投信へ振り分けて資産クラス分散を図ることで、保有銘柄が値下がりしたときのストレスを、多少なりとも軽減できる可能性が高まります。

 10年前の2006年4月30日時点の日経平均株価は1万6906円。16年4月28日時点だと1万6666円なので、この10年間の騰落率はマイナス1.41%でした。もちろん個別銘柄投資だと、これを上回るパフォーマンスが得られているケースもあると思いますが、主力株の「平均値」を見れば、ほとんど値上がりしていないのが現実です。

 一方、過去10年の投信の騰落率ランキング(4月30日現在)を見ると、以下のようなファンドが上位に入っています。ちなみに、このランキングはモーニングスター社によるもので、騰落率は年換算です。

 年換算で9.26%ということは、過去10年間で92.6%のリターンが得られたことになります。この間、日経平均がほとんど値上がりしていないのにもかかわらず、日本株以外の資産クラスに投資すれば、これだけのリターンが得られたことになります。

■ 日本株の下落ヘッジに適した商品は? 

 投信の投資対象は、かなり広範です。国内株式市場はもちろんですが、先進国や新興国の株式、債券市場、国内外のREIT(不動産投資信託)市場、金などの貴金属や、原油などの資源・エネルギーに投資する投信もあります。

 個人が海外の株式市場に上場されている個別銘柄を選び、投資することも不可能ではありませんがやはり、土地勘のない国・地域の株式市場に上場されている個別銘柄を選別するには、入手できる情報の量や質などから考えてもハードルが高くなります。そこを投信で補うのです。

 ただ、もし日本株を保有している投資家が、日本株の値下がりリスクをヘッジしようとするならば、日本株と異なる値動きをする資産クラスを保有する必要があります。

 では、どのような資産クラスに投資すればいいのでしょうか。

 ここで一つ問題があるのは、08年のリーマンショック以降、資産クラス間の値動きが似通ってきていることです。日本、米国、中国各国の株式に分散しても、すべて同時に下落してしまうケースが増えているのです。12年12月から16年4月までの相関係数を見ると、国内株式に対して逆方向の値動きをする資産クラスは国内債券と金だけでした。

 どの期間を取っても、比較的似通った傾向が見られます。したがって、日本株を保有している投資家が長期的に日本株の下落リスクをヘッジしようとしたら、国内債券か金を組み入れて運用している投信を組み合わせるのが妥当、という結論に達します。ちなみに、この期間における騰落率を見ると、日経平均株価がマイナス1.41%だったのに対し、国内債券はプラス25.60%、金はプラス95.09%でした。

 現在、国内債券のうち中長期債を組み入れて運用するものとしては、「DLIBJ公社債オープン(中期コース)」「明治安田日本債券ファンド」「損保ジャパン日本再建ファンド」などなど。金を組み入れて運用するものには「三菱UFJ純金ファンド」「ステートストリート・ゴールドファンド」「NHAM金先物ファンド」などがあります。日本株とともに、これらの投信を保有することで日本株の値下がりリスクの軽減が期待できるのです。

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最終更新:6/27(月) 15:56

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