ここから本文です

英国のEU離脱は「起こりそうにない」、ファンドマネージャーたちの予想と備え

Forbes JAPAN 6/18(土) 19:00配信

英国が欧州連合(EU)離脱するのではと騒ぎになっているが、プロの投資家で実際にそうなると考えている者は少数派だ。



バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BofAML)は先日、総額6,540億ドル(約67.8兆円)の資産運用を行っている世界のファンドマネージャー213人から回答を得た調査結果を発表。それによるとその3分の2は、英国のEU離脱「ブレグジット(Brexit)」が現実になる見込みは薄い、あるいは全く起こりそうにないと考えている。

とはいえ、国民投票の結果は予想がつかない状況になっており、この問題がテールリスクであることは間違いない。回答者の30%は、ブレグジットについて「発生し得る事象の中で最も懸念している」と言っている。

投資家たちは、6月23日に実施される、英国のEU離脱の是非を問う国民投票に注目している。英国はユーロとは別の独自の通貨を採用しているが、EUは貿易や移民、金融サービスなどに絡む多くの協定で結ばれている。英デービッド・キャメロン首相は、EUからの離脱は国を不景気に陥らせ、「失われた10年」をもたらす可能性もあると警告している。

国民投票の結果を受けてすぐに動かせるように、ファンドマネージャーたちは保有資産の現金比率を高めている(現在の平均比率は5.7%と2001年以来の最高水準)とBofAMLは指摘する。モルガン・スタンレーやJPモルガンのような多くの銀行では、国民投票の結果が入ってくる23日は夜通しスタッフを配置し、顧客のリクエストに対応できるようにしておく計画だ。

「社債や米国の株価は記録的な高水準につけているが、投資家たちは大量の現金を手元に置いている。英国のEU離脱が現実になってそれが市場に悪影響を及ぼしても、すぐにそれが買いのチャンスになり得るのだ」とBofAMLの主任投資ストラテジスト、マイケル・ハートネットは言う。

モルガン・スタンレーでは、英国がEU離脱となれば資本市場が大きな打撃を受け、欧州の株価は15%下落、英ポンドとユーロの価値も下落する可能性があると予想している。一方で、EU残留となった場合の欧州株価の値上がり率はわずか5%だろうと考えている。

欧州の株に比べて、米国の株価の方はそこまで影響を受けなさそうだ。市場の乱高下の影響を受けても、欧州株に比べれば魅力的に見える可能性があり、モルガン・スタンレーは「今は米国株の方が買い」だとしている。

ブレグジッド以外でファンドマネージャーたちが懸念しているのは、量的緩和失敗のテールリスク(18%が懸念していると回答)と中国の通貨切り下げまたはデフォルト(15%)だ。

Lauren Gensler

最終更新:6/18(土) 19:00

Forbes JAPAN

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Forbes JAPAN 2017年1月号

株式会社アトミックスメディア

2017年1月号
11月25日(金)発売

890円(税込)

Forbes ID 無料会員登録を受付中!
今ならもれなく電子版最新号をプレゼント

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。