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【現地記者の英国通信】過去の主要大会とは違うイングランド国内の穏やかな楽観主義

SOCCER DIGEST Web 6/18(土) 18:37配信

イングランド代表チームへの大胆な予言はまったく出ていない。

 6月10日に開幕したEURO2016。イングランドのファンにとって、今回のEUROまでの流れは、過去数回のワールドカップやEUROとは違っている。これまでは、イングランド代表への期待が非常に高く、優勝を望む声すらあった。しかし周知のように、そうした非現実的な期待は今大会に限ってはほとんど見られない。
 
 今大会へのイングランドでの期待度は、私から見ると、ファンもメディアも「静かに楽観視している」といったこところだ。どれだけ成功するかについて、大胆な予言はまったく出ていない。
 
 イングランド代表の中核には、とても若く才能にあふれた選手が揃っており、これは素晴らしいことだ。若い選手は恐れ知らずで、それだけにポテンシャルも非常に高い。
 
 プレミアリーグの第一線に躍り出たハリー・ケインやデル・アリ、マーカス・ラッシュフォードといった選手は大胆不敵で、そうした姿勢があればどんなことでも可能だ。もし成功を収められなかったとしても、まだ若いだけに次回以降の大会でいくらでもチャンスがある。
 
 イングランド代表にフランク・ランパード、スティーブン・ジェラード、ジョン・テリーといった選手がいた頃、私はいつも感じていた。彼らはすでにピークを過ぎていて、しかも全盛期に主要タイトルを獲得できなかったじゃないか、と
 
 また私は、今シーズンのレスターシティの素晴らしい快進撃がEURO2016への関心を逸らし、代表選手のプレッシャー軽減につながった部分もあると考えている。フットボールファンの注目はレスターシティに集中していたため、EUROへの関心は大会直前の段階になってようやく高まってきた。そのため、イングランド代表の選手たちはさほど重圧を感じずに済み、またファンが極度に興奮することもなかったのだ。
 

ほぼ毎試合プレミアリーグの選手が登場する楽しみ。

 そして、プレミアリーグで活躍する選手が大勢、登場するのもファンにとっては楽しみだ。実に103人もの選手が今大会でプレーする。つまりほぼ毎試合、プレミアの選手が誰かしら出場するということだ。例えばフランス対ルーマニアのオープニング・ゲームでは、アーセナル(オリビエ・ジルー)とウェストハム(ディミトリ・パイエ)の選手がゴールを決めた。パイエのゴールは実に素晴らしかった。なんといっても彼は、私が愛するウェストハムの選手だからね……少なくとも今のところは。
 
 さらに、チャンピオンシップ(イングランド2部)からも31人の選手が大会に出場する。これは全リーグで7番目の数字であり、リーガ・エスパニョーラより3人少ないだけで、フランスのリーグアンより9人多い。このことも、イングランドのフットボールファンにとって祝福すべきことだ。
 
 というわけで、イングランドの最初のゲームに合わせて、多くの家庭がそれぞれの自宅の庭でバーベキューをする手はずを整えた。私の友人はある家のパーティーに招かれたが、そこではイギリス製の食べ物やビールしか持ち込めなかったという。もちろん理由はイングランド代表がプレーするからだ! もちろん、いかにもイングランドらしく、試合開始2時間前になって雨が降り始めたというオチがついたのだが。
 
 ビジネス関係者もEUROを待ち望んでいた。試合を見るため、人々がいつもよりもパブで長い時間を過ごすからだ。
 
 今回の大会を楽しみにしていない人たちがいるとすれば、救急隊員だけだろう。酒の飲み過ぎで起きる騒動や緊急事態に対処しなければいけないのだから!
 
 イングランドとロシアの試合は引き分けだったが、パニックを起こすような人はいなかった。選手たちは健闘したし、先ほども言ったように今のイングランドは穏やかな楽観主義に包まれているからだ。
 
 とにかく、大会を楽しもう!

文:スティーブ・マッケンジー

最終更新:10/14(金) 13:16

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