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うつ病、アルコール依存症に次いで3番目に多い精神障害SAD

Forbes JAPAN 6/19(日) 12:01配信

社会不安障害(SAD)を抱えて生きるのは大変だ。大半の人にとっては当たり前の社会交流がきっかけで強い不安を感じたり、自信を喪失したり、後ろ向きな思考回路に陥ってしまったりする。だが幸運なことに、SADは治療が可能だ。認知行動療法(CBT)の臨床心理学者で、不眠症と不安神経症が専門のスティーブ・オーマ博士に話を聞いた。



社会不安障害(SAD)とは?
社交恐怖症とも呼ばれるSADは、特に馴染みのない人の前に出た時や、他人に判断される可能性がある時などに強い恐怖感を覚える精神障害だ。こうした状況に置かれた(あるいはそれを予期した)時に強い不安を感じ、パニック発作を起こすこともある。その結果、SADを抱える人は通常、こういった環境を回避するか、あるいは大きな苦痛を感じながらそれに耐えている。患者は自分の恐怖感がいきすぎ、あるいは不合理であると認識している。不安と苦痛は、患者の日常生活、社会生活・関係、学校やキャリアに支障をもたらす。

誰でも社会的状況の中で不安を感じたことはある(たとえば誰かをデートに誘ったり、大人数の前で話したり)。だがSADの人はそうした不安が強いため、生活に大きく影響する。他人と会って交流しなければならないのが怖くて大学に行かないケースや、嫌われるのが怖くて誰ともデートをしないケースもあり得る。SADが原因で目標や価値観の追求をやめてしまい、ほかの人よりも充実感に欠ける人生を送ることになる可能性もあるのだ。

SADはどれくらい一般的?
SADは(うつ病、アルコール依存症に次いで)3番目に多い精神障害で、アメリカでは毎年人口の5~7%がその影響を受けている。現在、アメリカのSAD患者は約1,500万人。人が生涯のいずれかの時点でSADになる可能性は最大13%だ。通常は幼少期か青年期に始まるが、成人してから発症することもある。

SADの原因と治療法

SADの原因は?
何がSADを引き起こすのかについては、遺伝・生物学的な要素、環境、思考、あるいはこれらの要素の組み合わせなどのさまざまな説があるが、専門家の意見はまとまっていない。だがその人の思考が、SADの性質や程度に大きな影響を及ぼすことは明らかだ。

人前に出たり評価される状況に置かれると、SADの人は「失敗したらどうしよう」などと考える。自分の発言や行動、外見について、他人が否定的な判断を下すだろうと考えて恐怖を感じるのだ。

特定の状況(たとえばスピーチをしたり初めての人に会ったり)においてのみ、こうした考え方に陥って不安を感じる人もいれば、大部分または全ての社会的状況においてそうなる人もいる(重要なのは、不安に陥っても罪悪感や羞恥心を抱くべきではないということ。そうした思考の大部分は、恐れている状況に置かれた時やそれを予期した時に自動的に引き起こされるものであり、自覚がないこともある)。

認知行動療法(CBT)とは?SADの治療に効果的なのか?
幸いにもSADは治療が可能で、効果が認められている治療法の1つがCBTだ。CBTは患者に対して、不安や否定的で不正確な思考を特定し、それを変えるよう教えることに重点を置く能動的・協調的な治療法だ。

治療ではたとえば、恐怖や不安を理由に回避していた状況に敢えて置く。恐れていた場面にさらすことは、患者が自分の不安に鈍感になり、自信を持つのを手助けする。

また、効果的な社会的スキルやコミュニケーションスキルの習得も治療に含まれる。CBTは一般的に短期の治療で、個人で行うこともグループで行うことも可能だ。

Jeena Cho

最終更新:6/19(日) 12:01

Forbes JAPAN

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