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屈辱的な割安水準に落ち込んだ日本株

会社四季報オンライン 6/19(日) 20:06配信

 案の定というべきか、「ブレグジット(英国のEU離脱)」に対する不安が市場を揺さぶっている。英国のメディア「インディペンデント」の委託を受けてオンライン調査を行ったORBが10日に発表した、EU離脱に関するアンケート結果は賛成が55%、反対が45%と、離脱支持が残留支持を10%ポイントも上回る衝撃的な結果となった。その後、ICMやYouGovなどが相次いで実施・発表している調査結果も程度の差こそあれ、いずれも離脱派が残留派を上回る結果となっている。

 こうした「世論」の影響なのか、ブックメーカー(賭け業者)各社の予想オッズでも離脱にベットする向きが増えてきたようだ。ベットフェアでは9日時点で残留が78%だったのが12日には64%となり、14日には62%まで低下した。残留が依然として優勢ではあるものの、一時は55%になるなど離脱との差は急速に縮まっている。

 オプションの理論価格は残存期間、行使価格そして想定するボラティリティの三つの数値で試算される。米国の経済学者のフィッシャー・ブラックと、ノーベル経済学賞を受賞した同じく経済学者のマイロン・ショールズの二人が開発したもので、「ブラック・ショールズ・モデル」と称されている。同モデルを基に実際に売買されているオプションの価格から市場がボラティリティをいくらと見積もっているかを推計することも可能だ。これをインプライド・ボラティリティ(IV)という。

 相場にかかわった向きなら直感的に理解できるはずだが、基本的に上げは「緩やか」で下げは「急」である。「今後も上昇局面が続く」と多くの市場参加者が予想しているとき、IVは低く(小さく)、逆に下げへの警戒が強まるとIVは高く(大きく)なる。その象徴的なものが「恐怖指数」とも呼ばれる「ボラティリティインデックス(VIX)」だ。SP500種株価指数を対象にしたオプション取引の当限・翌限の、現在値に近い上下8本のコール・プットIVの加重平均値である。

 VIXが高くなるのは、下げへの警戒心が強まっていることを意味している。「恐怖指数」とはうまく命名したものだ。ちなみに2004年からVIX先物も組成されて売買の対象となっており(現在はオプションも)、これから下げそうだと判断したらプットを買うのと同じ感覚でVIX先物を買うということも可能なのである。

 「ブレグジット」への警戒を端的に示すようにポンド・ドル相場(1カ月物)のIVはORBの調査結果が発表された10日に23.5%へ急騰した。これは09年1月以来の水準だ。08年9月のリーマンショックを起点に全世界的な信用収縮が起きて翌09年3月中旬には米ニューヨークダウ、日経平均など主要国の株価は歴史的な安値を記録した。10年5月のギリシャショック(IVは18%程度)、14年9月のスコットランドの住民投票(同12%程度)時と比較しても足元の危機感の強さがうかがえる。

 日経平均は13日に前週末比582円安の1万6019円と急落、VIXは20.97と2月29日以来の20ポイント台乗せとなった。外国為替市場ではドル・円が1ドル=105円台、ユーロ・円が1ユーロ=118円台と円高がさらに進行した。これを受けて14日の日経平均は前日比160円安と大幅続落。終値は1万5859円と4月12日以来、2カ月ぶりに1万6000円の大台を割り込んだ。

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最終更新:6/20(月) 17:41

会社四季報オンライン

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