ここから本文です

格差社会を白日の下に晒した韓国の「白い宴」

JBpress 6/20(月) 7:50配信

 韓国ソウルの夏の風物詩にハンガン(漢江)の河川敷に集まった市民たちが涼んでいる姿がある。熱帯夜になると河川敷で寝泊まりする市民も多いほど、ハンガンの河川敷はソウル市民の憩いの場である。

 にわか雨が降った後で少し蒸し暑い6月11日の午後、どこからか白のドレスやスーツに身を包んだ韓国人たちがゾロゾロとハンガンの橋の袂に集まってきた。それまでの夕涼みに出ていた人たちとは服装がまるで違う。

 今年は韓国とフランスが国交を結んでから130周年となる。年初から様々な催しが開かれおり、昨年の日韓国交正常化50周年の時とは大違いである。

 そんな関係からか、フランス発祥のシークレットパーティ「ディネ・アン・ブラン」がソウルで開催されることが大々的に宣伝されていた。

■ 世界中で人気の「白い宴」

 「ディネ・アン・ブラン(Le Diner en Blanc )」は、どこで開催されるかがパーティの直前まで知らされず、カップルでの参加が義務づけられている。

 またドレスコードは白(服装だけでなく、持ち物、イス、テーブル、カトラリーすべて白)で、テーブルセッティングをはじめ自分が食べたりするものは一切自分で用意するという風変わりなパーティーである。

 すでにパリ、ロンドンなどヨーロッパの首都や東京でも開催されており、韓国の西洋かぶれの人たちにとっては待ち遠しいパーティーだった。

 パーティには招待客しか入れない。主催側から招待状をもらった人が知人を連れていく形式で、もしそういう招待がなければ、ネットで申込みウェイティングをかけることになる。

 参加費は1人当たり45ドルで、カップルでの参加が基本なので90ドルになる。だが、費用はそれだけではない。

 ドレスコードに合わせるために衣装代、アクセサリー代などもかかる。また、テーブルセッティングに必要な折り畳み式のテーブルやイス、さらにはテーブルに飾る花も花瓶、電気ろうそくも用意しなければならない。

 しかも、それらを自分で持ち運ぶ必要がある。自家用車の利用は不可で、公共の交通機関を利用してパーティー会場(パーティー会場は公共の場所)まで行かなければならない。お金だけでなく相当な労力も必要となる。

 そんな大変なパーティーに慣れてない韓国人を思ってか、韓国ではオフィシャルなシェフが選ばれ、ネットで申し込むとシェフの調理した料理を会場でケータリングしてもらえるという仕組みになっていた。

■ 参加費は2人で約4万円

 さらに、テーブルやイス、花、花瓶、電気ろうそくなどもレンタルできるようになっていた(これは日本でも同じ)。結局は、カネですべてが片がつくという仕組みである。

 上記のケータリング、レンタルを利用すると2人で最低30万ウォン(約3万円)。参加費を入れると一度のパーティーに2人で約40万ウォンの費用がかかる。

 2016年韓国の最低賃金は、時給6030ウォン(2015年度より8.1%引き上げ)なので、最低賃金者の人なら33時間以上を働かなればならない勘定となる。

 今年5月に韓国の統計庁が発表した「2016年雇用動向」によると、4月まで韓国の若年層(15歳~29歳)の失業率は10.4%だ。

1/2ページ

最終更新:6/20(月) 8:30

JBpress

記事提供社からのご案内(外部サイト)

JBpress PremiumはJBp
ressが提供する有料会員サービスです。
新たな機能や特典を次々ご提供する“進化
するコンテンツ・サービス”を目指します。

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。