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中華オタクのシェフ渾身の一軒家新店 「JASMINE 憶江南」は巨大肉団子が旨い

CREA WEB 6/21(火) 12:01配信

中華オタクの総料理長、新たな冒険のはじまり

 中国料理のとりこになった少年がいた。当時中学1年生だった彼は、横浜中華街のとある台湾料理店に通っては、香り高い料理の数々にのめり込む毎日を過ごしていた。やがて学校を卒業すると、さまざまな中国料理店で経験を積み、六本木の高級ホテルの中国料理店で腕をふるうまでに。

 2011年、若くして広尾の「中華香彩 JASMINE」の総料理長に就任、そして、5年後の2016年3月24日、ついに彼は、一軒家レストラン「JASMINE 憶江南」をオープンするまでになったのだ。

 自らを「中華オタクです」と公言する彼の名は、山口祐介。

「店名の“憶江南”は、中唐の詩人・白居易が江南の風光明媚ぶりを詠んだ漢詩の題名からとりました」

 中目黒から徒歩10分ほど。住宅街のなかの一軒家レストラン、「JASMINE 憶江南」。以前、イタリアン「AW Kitchen」のあった場所といえば、わかる人がいるかもしれない。

 2フロアあり、1階は客室数36。ソファを配したテーブル席は、半個室のようになったスペースもあり、落ち着いて食事が楽しめる。2階には、8名収容の個室も! 

 さあ、料理をいただきましょう。単品であれこれ頼むのももちろんいいけれど、コースやお任せでサーブされる前菜も忘れてはいけない。広尾店からの看板メニュー、JASMINE名物よだれ鶏をはじめ、鎮江名物の肴肉(豚の煮こごり)、上海風鮒の煮つけなど、お酒の進む品々が卓に並ぶと、それだけでテンションがあがる。

記憶に残る料理の数々はお任せで!

  ところで、江南料理とはどんなもの? 

 一般的に北京、上海、四川、広東が、4大料理として知られている中国料理。そのなかでも、江南料理は上海料理の分類で、揚子江の南あたりの料理。

 揚子江の自然に恵まれた江南地方は「魚米之郷(ぎょまいのさと)」と呼ばれ、稲作が盛ん。魚介類も豊富に水揚げされるため、さまざまな食材で幅広い料理が作られてきた土地だという。

 今回、憶江南を開くにあたって登場したメニューが、獅子頭(大きな大きな肉団子。伝統的な上海醤油煮込み)。江南地方を代表する調理法を用いた紅焼料理です。

 醤油、砂糖、紹興酒で味付けされる紅焼料理は日本人好み! 豚ひき肉とサトイモでつくられた団子のふわっとした中にクワイのシャキシャキとした歯ごたえがアクセント。

 気軽に使えるランチは平日1,000円~、土・日曜、祝日は1,680円~。ディナーは、コースの場合は6,500円、8,000円、10,000円の3つを用意。

 もちろん、広尾店でも人気のよだれ鶏やそのタレでいただく焼き餃子も単品注文可能。餃子は中の具を肉メインにし、よりジューシーな仕上げになっている。

 今も年に1回は中国に飛び、現地の食トレンドをキャッチしている山口氏。本場で学んだ乞食鶏や、蘇州名菜の松鼠を模った魚の丸揚げなど、事前予約が必要な逸品もすばらしい。

 また、8,000円から注文可能のお任せ料理は、常に予想以上のものを提供してくれる。

「もっと奥深く中華料理を知ってほしい」という山口氏。あの日、中国料理に魅せられた少年の心は、今もそのままだ。

 食後に、漢詩「憶江南」の一節、「能不憶江南(どうして江南を慕わずにいれよう)」が頭の中をよぎる。記憶に残るひと皿をいただきに、また中目黒まで足を運ばずにいられない。

JASMINE 憶江南(ジャスミン イージャンナン)
所在地 東京都目黒区東山1-22-3
電話番号 03-6303-1927
営業時間 ランチ 11:30~14:30(L.O.)、ディナー 18:00~22:00(L.O.)
定休日 無休
予算 ランチ 1,200円~、ディナー 6,000円~、アラカルトあり
URL http://nakameguro.jasmine310.com/
[2016年3月、4月、5月訪問]

Keiko Spice(けいこ すぱいす)
東京都生まれ。得意なディスティネーションはハワイと香港。普段は3日に1回のペースで焼肉を中心とした食生活。別名「肉の妖精」。

Keiko Spice

最終更新:6/21(火) 12:01

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