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規制強化の声が高まると「銃を買いに走る」、大手メーカーS&W社の株価が上昇

Forbes JAPAN 6/22(水) 8:00配信

米銃器メーカー、スミス&ウェッソンの株価は6月16日、上昇をみせた。その理由は、12日に起きた銃乱射事件に直接関係したものではない。同社がこの日に発表した決算報告が、市場予想を上回ったためだ。



スミス&ウェッソンは16日午後、2016年4月期(第4四半期)と通期の業績を発表。同期の売上高は前年同期比22.2%増の2億2,110万ドル(約230億円)となり、アナリスト予想の2億1,550万ドルを上回った。このうちスポーツ用品の売上高はわずか1,750万ドル(約18.2億円)で、あとはすべて銃器部門の売り上げが占めた。

4月期の純利益は、特別項目を除いて3,740万ドル(約39億円)、または1株当たり66セント(約68円)。1株当たりで見ると前年同期比およそ50%増で、ウォール街の予想を22%上回った。

通期ベースでの売上高は、2015年度の純売上高から30%増の7億2,290万ドル(約753億円)を記録。特別項目を除く1株当たり利益は1.83ドル(約190円)と、2015年度の1.02ドルを上回った。

決算発表のあった週は、米国にとってはひどいものだったかもしれないが、スミス&ウェッソンにとってはいい1週間となった。6月12日未明、オーランドにあるナイトクラブで銃乱射事件が発生したが、13日に同社の株価は7%急上昇。14日の取引で株価は安定したが、5営業日で5.5%の上昇を達成した(銃による悲劇が起こると銃器メーカーの株価は上昇する。銃規制が強化されて購入しにくくなることを恐れる人々が、銃を買いに走るからだ)。

スミス&ウェッソンが決算報告と同時に発表した声明は、オーランドの事件にも同社の最近の株価の動きにも触れず、決算の結果のみに焦点を当てたものだった。

「4月期と通期の堅調な業績は、射撃や狩猟、アウトドア活動の愛好者たちに、質の高い製品を提供するリーディングカンパニーになるという当社のビジョンが正しいことを裏付けるものだ」と、同社のジェームズ・デブニーCEOは声明で述べた。
--{ヒラリーが選出される方がよい?}--
2017年度について、同社は第1四半期の1株当たり利益を49~53セント、売上高は1億9,000万~2億ドルと予想。通期では1株当たり利益を1.83~1.93ドル、売上高は7億4,000万~7億6,000万ドルと見込んでいる。

「強含みのバランスシートと買収に成功してきた実績をもって、当社は今後も射撃や狩り、アウトドアの愛好者たちのための製品を扱う市場で良いポジションを築いていきます」とデブニーは述べ、この展望はいかなる政治的見通しに絡めたものでもないとした。

だが市場のオブザーバーたちは、今後を予測する上で政治を考慮に入れており、全体として、銃器メーカーに流入する金は当分の間、枯渇することはないと予想している。ヒラリー・クリントンが大統領に選出された場合は特に、だ。

「ヒラリー・クリントンは銃規制を支持してきた。オバマ大統領のもと、そうした議論は銃器の売り上げ増加につながっており、その傾向が今後も続くと予想している」と、ポートフォリオ・マネージャーのデービッド・ジェームズは分析する。

決算発表を受けて、16日の通常の取引時間で1.26%上昇してひけたスミス&ウェッソンの株価は、取引時間外で7%以上の上昇を記録した。

Maggie McGrath

最終更新:6/22(水) 8:00

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