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便利なポイントカードにご用心、怖い個人情報漏洩

JBpress 6/22(水) 6:15配信

 凶悪な犯罪事件が発生したようなとき、市中に設置された監視カメラの画像データを確認して、容疑者の行動をつぶさに調べ上げる報道を目にします。

 しばらく前にも、これは特別に設置されたものらしいですが、暴力団の抗争事件に関連して、監視カメラのビデオ画像で容疑者確認、といったニュースが流れていました。

 「ああ、そんなものか・・・」

 と、ごく普通のこととして見過ごされてしまうことが多いかもしれません。

 しかし、そこでチェックされているのは、必ずしも「容疑者」ばかりではない。あらゆる人が監視の対象となっており、そのデータがすでに蓄積されていて、何かあったときには過去に遡って検索できる――。

 その是非を少し考えてみたいと思います。

■ 行動情報データ化の可否

 少し前に米国で普及している、タクシーに代わると目される交通システムUBERの話題に触れました。米国でUBERに乗るといろいろな人が運転していて面白いです。過日はフィラデルフィアで、高校の社会科の先生が週末にUBERの運転手をしているケースに遭遇しました。

 「一番下の子がまだカレッジで、学費がかかるから・・・」

 と笑いつつ、戦後日本への米国の占領政策など、非常に多くのことに精通した人で、30分ほどの乗車時間、大いに会話が弾みました。

 「UBERは何が良いって、現金を取り扱わないことだよ」

 とその「高校の先生=ドライバー」は言います。

 「タクシーの車内には現金があると分かっているから、NYなどではタクシー強盗が絶えない。僕が知っている限り、一番ひどいのはシカゴだ。気持ちの荒れた町だよ」

 「その点、UBERはすべてクレジットカード払いでキャッシュレスでしょ。拳銃を持った若者は、UBERを狙っても何もないと分かってるから、決して襲ってくることはない」

 日本でもかつて「タクシー強盗」という言葉は聞かなくはありませんでしたが「車内には必ず現金があるから」とタクシーが恒常的に犯罪のターゲットにされるほどまで、世情は荒れていない。まだ助かっているというところでしょうか。

 「それに、拳銃を突きつけられて、おかしな進路を取ったりしても、動きがすべてUBERに残っているし、常時チェックしてもらっているので安心」

 UBERのシステムは膨大な数の登録車の動きを常にスキャンしており、安全監視してもらっているからタクシーと違って安心して運転できる、とその社会科の先生ドライバーは太鼓判を押していました。

 これはまた、UBERを利用する顧客の方も同様です。どこからどこまでどのようにUBERを利用したかといった情報はもちろん、すべての利用を記した「アカシック・レコード」がしっかり残る。身元保証のような意味もあると言えます。

 しかし、そういう個人情報がすべて残っていて、場合によって第三者に利用可能である、というのは、果たしていいことなのでしょうか? 

 「私は別段人に見られて困るようなことは何一つしていない」

 と胸を張る方もおられるでしょう。そういう方には、例えばあなたのお子さん、年頃のお嬢さんが、毎日何時にどのルートで通学や通勤をし、夕方の何時頃に人気のない路地を通るといった情報が、不特定多数に丸見えになっている、といった状況を考えていただければと思います。

 身代金目的その他で、人を拉致、誘拐しようとする。あるいは現金輸送車の走路や時間が第三者に克明にマークされる・・・。監視可能という状態が、必ずしも歓迎されるばかりではないことは、少し頭を働かせれば、あまりに明らかな事実です。

 プライバシーというのは、基本的に「守られてあるべきもの」というのは、こうした観点を参照すると、実に妥当なことだと分かるでしょう。

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最終更新:6/22(水) 7:40

JBpress

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