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英国のEU離脱でも世界経済は大丈夫 (塚崎公義 大学教授)

シェアーズカフェ・オンライン 6/23(木) 5:34配信

英国がEUを離脱するか否か、決める国民投票が近づいていますが、現段階ではどちらとも言えない状況です。「英国がEUを離脱したら、世界恐慌が来る」などと言っている人も見受けられますが、本当でしょうか。今回は、仮に離脱が決まった時に何が起きるのか、考えてみましょう。

■英国はともかく、欧州大陸への影響は小さいはず
EUは、人や物などの移動を自由にしよう、という協定ですから、英国が離脱すれば、大陸諸国との間の人や物などの移動が従来ほど自由には行なえなくなるでしょう。したがって、双方ともに何らかの打撃を受けることになるはずです。

もっとも、英国とEUの関係が途絶えるわけではなく、何らかの新協定が結ばれることになるでしょう。その協定次第で影響も変わって来ますが、かなり距離を置くことになった場合でも、世界経済の混乱は限定的だと思われます。

それは、そもそも自由貿易協定自体の影響力がそれほど大きくないからです。過去に自由貿易協定が締結された事例を見ると、たしかに両国に恩恵は及んでいるようですが、爆発的なメリットが生じたという話は、少なくとも先進国では聞かれません。ということは、それが解消されても深刻なダメージは生じない、ということだと思います。

仮に欧州大陸の国際金融機能がロンドンからフランクフルト等に移るような事があれば大問題となり得るでしょうが、そうなるとも思われませんので、英国にとっては主要産業である金融業にそれほど大きな打撃があるようにも思えません。

上記の傍証が二つあります。英国の打撃が大きいとすれば、今頃英国株は暴落している筈なのですが、それほどでもありません。それから、自由貿易協定がそれほど素晴らしい物なら、世界中の国がもっと熱心に自由貿易協定に取り組むはずでしょう。「英国のEU離脱で世界恐慌」と考えている人は、当然TPPを熱烈に推進しているはずです(笑)。

英国については、上記の予想が外れて比較的大きな影響が出るかも知れませんが、それでも欧州大陸については、影響は大きくないでしょう。英国と欧州大陸では経済規模が違うからです。英国の離脱を機に、他の国の離脱が相次げば打撃が拡大する可能性もありますが、ユーロ採用国の離脱は英国より遥かにハードルが高いので、離脱が相次ぐ事は考えにくいでしょう。

今ひとつ、考えるべきことがあります。英国からEUへの輸出に関税がかかるようになると、英国から欧州大陸への輸出は、激減するかもしれません。しかし一方で、EU域内企業が英国企業に代わって製品を供給するようになるとすれば、EU域内経済にとってはむしろ経済にプラスの要素ともなり得るわけです。

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最終更新:6/23(木) 5:34

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