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実はNISAより税制上のメリットが大きい個人型DC

JBpress 6/24(金) 6:00配信

 5月24日、国会で「確定拠出年金」の改正法が成立しました。

 日本の年金制度は3階建て構造になっています。まず、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する義務がある「国民年金」(1階部分)。加えて、会社員や公務員などが加入する「厚生年金」(2階部分)、さらに会社ごとに設定されている「企業年金」(3階部分)という体系です。

DC制度改正の概要、確定拠出年金の非課税メリット(図表)

 確定拠出年金は3階部分の企業年金の1つで「DC」(Defined Contribution)と略されます。

 企業年金にはこのほか、「確定給付年金」(DB:Defined Benefit)、「厚生年金基金」があります。Definedは“定められた”という意味で、確定給付年金(DB)は「将来の年金額の給付が確定している年金制度」のことです。一方、確定拠出年金(DC)は「将来受け取る年金額を運用する掛け金の拠出が確定している年金制度」です。企業や個人がさまざまな金融商品に投資して資産運用を行い、その結果を老後に年金として受け取ります。

 DCでは、いくら年金額が給付されるかは運用の結果次第なので、分かりません。そんな年金制度は不利で損するのではないか――と思われる人が多いことでしょう。まさにその通りなのですが、日本の公的年金(国民年金と厚生年金)や企業年金は国(政府)や企業の運用難から年金額が減少しており、特に企業年金はDBからDCへの移行が進んでいます。

 今回の制度改正は、非正規雇用が増えるなど働き方の多様化が進むなかで、個人型DCの対象拡大、DC運用の改善などを主な内容としています。皆さんが豊かな老後を送りたいと考える場合、確定拠出年金制度の活用はぜひ検討すべき選択肢と言えるでしょう。

 今回から3回にわたり、制度改正の内容を解説していきます。

■ 中小企業の加入を促す改正

 DC制度改正の概要は以下の表の通りです(図表1)。

  (* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47137)

 最初のポイントは、中小企業におけるDCの設立手続きが大幅に緩和されたことです。

 確定拠出年金には、会社単位で入る「企業型DC」と、個人で入る「個人型DC」があります。

 中小企業の企業年金の実施状況は低下傾向にあり、従業員30~99人の企業で「退職年金制度」がある会社は25.9%にとどまります。

 1000人以上の大企業では77.0%に退職年金制度があり、そのうち69.4%がCBP(キャッシュ・バランス・プラン)を含む確定給付年金です。CBPとは確定給付と確定拠出の両方の性格をもつ年金制度で、「混合型年金」とも呼ばれます(図表2)。

 今回の制度改正では、中小企業(従業員100人以下)において、設立時の書類を簡素化して行政手続きを金融機関に委託することもできる「簡易型DC」を創設することになりました。

 また、個人型DCに加入する従業員の掛け金に事業主の拠出を追加できる「小規模事業主掛け金納付制度」も創設しました。

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最終更新:6/24(金) 6:00

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