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OPEC産油国を直撃しそうな中国のカネ詰まり

JBpress 6/24(金) 6:15配信

 人民元が6月に入り再び下落している。6月15日の対ドル基準値は1ドル=6.6001元に設定され、基準値としては2011年1月以来、約5年5カ月ぶりの元安水準となった。

 このところ中国からの資金流出がおさまった感があったが、最近の元安を受け資金流出が再び本格化するとの見方が高まってきている。外貨準備も5月には再び減少に転じ(279億ドル)、月間の減少としては2月以来の高水準だった。中国の外貨準備は世界最大だが、2014年以降、その約20%を取り崩している。

 ここにきて中国が保有する米国株も急減している(6月16日付ブルームバーグ)。米財務省のデータによれば、中国は2015年半ばから2016年3月末までの間に、保有する米国株を38%(約1260億ドル)減少させた。同期間の海外投資家全体の米国株の減少幅が9%であることに鑑みれば、中国が「世界を圧倒的に上回るペース」で米国株を売却したことは明らかである。

■ 巨額な債務を抱える中国が流動性の危機に

 6月17日には商務部が記者会見で「対外直接投資の増加に伴う外貨準備に関わるリスクを調査している」と述べるなど、当局が相次いで外貨準備について懸念を表明した。そのことから市場では「中国は、実質的に利用可能な外貨準備が底を尽きつつある」との観測が出始めている。

 このような懸念が生じているのは、「巨額な債務を抱える中国が流動性の危機に陥る」との危機感が強まっているからである。

 6月16日、四川省の石炭企業が社債の元利を期日に払うことができずデフォルトとなった。今年に入ってデフォルトとなった中国企業はすでに18社目である。だが、これらは氷山の一角に過ぎない。今年下期に中国企業(金融を除く)は前代未聞の規模(約35兆円)の社債の償還を迎えるからだ(6月16日付ブルームバーグ)。

 中国の債務総額は国内総生産の約250%にまで膨らんでいるとされる。「多くのジャンク債の期限が第3四半期に到来し、大量のデフォルトが発生する」と予想する専門家は少なくない。銀行が抱える不良債権から生じる損失も1兆ドルを超える可能性がある(5月6日付ブルームバーグ)。

■ ベネズエラが中国に契約見直しを懇願

 中国政府としては、銀行などが大量倒産して失業者が大幅に増加し、社会の緊張が高まることはなんとしても回避しなければならない。銀行救済のためには数兆ドルが必要との見方もある(5月24日付ブルームバーグ)。そのための外貨準備はいくらあっても足りないだろう。

 外貨準備が順調に増加していた10年前、中国政府は急増する国内需要に対応するため、海外の原油資源を「爆買い」した。

 例えば2007年以降、中国はOPEC(石油輸出国機構)産油国であるベネズエラに対して500億ドルの融資を行った。その返済を原油で行うという「原油と融資の交換」契約だった。

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最終更新:6/24(金) 6:15

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