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国内景気後退に「リーチ」、日銀短観で実体が明らかに

会社四季報オンライン 6/24(金) 15:01配信

 6月は消費税率引き上げ延期が1日に発表された後、米国の雇用統計悪化、日銀の追加金融緩和見送り、英国のEU離脱懸念などを背景に円高・株安・金利低下が進む大荒れの展開となった。こうした円高・株安などが実体経済にどういう影響を及ぼすかについて、日銀短観などの指標で景気動向を見極める必要がある。

 7月1日発表の日銀短観(6月調査)では、業況判断指数(DI)、収益見通し、設備投資計画、想定為替レートなどに注目する必要がある。業況判断DIでも、大企業・製造業の業況判断DI(業況が「よい」と見る企業の割合から「悪い」とみる企業の割合を差し引いた値)は、その動きが政府の発表する景気の山谷と一致し、転換点の目安を的確に示す指標だ。

 この指標の勘どころは、(1)DIが上昇するか下落するか、(2)DI実績が前回調査時点での見込みに対して上振れるか下振れるか、の2点だ。具体的にみよう。前回3月調査時点の同DIは昨年12月のプラス12から6ポイント低下してプラス6となり、(1)は「下落」だった。一方、12月調査時点での3月見込みはプラス7だったが、実績はプラス6だったので、見込み数値を1ポイント下回り、(2)は「下振れ」となった。

 実は、過去の経験則ではこうしたDIの「下落」と見通しの「下振れ」が2四半期連続する局面では「景気後退」となる(右グラフ参照)。現在はいわば「景気後退」にリーチがかかった状態だ。前回3月調査のDIはプラス6で、3月調査時点の6月見込みはプラス3だった。なので、仮に同DIがプラス5以下なら「下落」で、プラス2以下なら「下振れ」となる。つまり、同DIが2以下ならば景気後退の条件に合致してしまう。

 消費税率引き上げ延期は多くの企業に朗報だったとみられるが、海外経済の先行き不透明感や円高・株安が企業の景況感を悪化させている可能性がある。プラス6だったDIがプラス2以下に下落することも十分想定が可能だ。そうなると、景気の現状はかなり危うい状況ということになる。

 一方、前回3月短観では2016年度の企業の想定為替レートが1ドル=117.46円で、これを前提にした企業の経常利益は前年度に比べ2.2%減との見込みだった(うち製造業が1.3%減、非製造業が2.8%減)。だが、現実には110円割れまで円が買われているため、企業としては想定レートを円高に修正せざるをえない。

 マクロ経済モデルによれば10%の円高は全産業の経常利益を5~10%減少させる計算だ。製造業を中心に収益見通しは下方修正され、その修正幅が大きければ株価への悪影響も考えなくてはならない。

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最終更新:6/27(月) 18:06

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