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波及はどこまで? 次は「フレグジット」か EU離脱問題

Forbes JAPAN 6/25(土) 18:30配信

英国民は欧州連合(EU)からの離脱を選択した。「残留(ブリメイン、Bremain)」派が「離脱(ブレグジット、Brexit)」派を上回ると予想していた市場は国民投票の結果を受け、大きく混乱した。



ブレグジットは、EUの基盤に大きな亀裂が入っていることを明らかにしたといえる。この決定が今後、域内の政治、そして通商政策にどのような影響を及ぼすかは不透明だが、そうしたなかで市場はすでに、次の犠牲者に関心を向け始めている。

「フレグジット」に「デグジット」?

英国に次いでEUからの「エグジット(離脱)」を選ぶ可能性があるのはどの国だろうか?

フランスではマリーヌ・ルペン党首率いる極右政党の国民戦線が離脱の是非を問う国民投票の実施を主張。デンマークやスウェーデンでも、同様の動きがある。「フレグジット」や「デグジット」といった言葉が市場に混乱をもたらすようになるかもしれない。

今後に向けた最大の不確定要素は域内の政治だが、加盟各国の信用格付けの引き下げの問題もある。格付けが引き下げられれば、さらに否定的な見方が広がり、各国の信頼性に傷が付く。

マクロ経済を専門とする調査会社、米ニュージャージー州に拠点を置くブレトン・ウッズ・リサーチ(BWR)のエコノミストはこれに関連して、「英国以外の加盟国も離脱し始めれば、ドイツがより多くの財政的な負担を強いられることになる。そうなれば、ドイツ国民は一体どこまでEUに関心を持ち続けることができるだろうか?」と域内の経済に関する懸念を示している。

各国内の分離派にも追い風

一方、英国では内部にも分裂の火種が残されている。イングランドとウェールズでは今回の国民投票で、多くが離脱を支持した。だが、北アイルランドとスコットランドは残留派が勝利。国内において、分離・独立の是非を問う国民投票の実施が呼びかけられる可能性がある。

スペインやイタリアでも

そして、影響は英国にとどまらない。多くの難民や移民が押し寄せる「難民危機」やドイツが主導する緊縮財政に反感を持つ国民が多い域内各国の独立派の機運に火を付けることになりかねないのだ。

6月26日に総選挙が実施されるスペインでは、難民受け入れには寛容である一方、反緊縮財政を掲げる急進左派政党ポデモス(PODEMOS)が優勢だ。同党は、ユーロ圏の経済政策に懐疑的だとされる。

スペインからの独立を求めるカタルーニャ自治州も、ブレグジットで再び勢いづいたといえるだろう。また、今年10月に憲法改正を問う国民投票の実施が予定されているイタリアのマテオ・レンツィ首相は、改正案が否決されれば辞任する意向。ローマには先ごろ、反体制派政党の市長が誕生したばかりだ。

フランスとドイツでも、来年はそれぞれ、大統領選と総選挙が予定されている。フランソワ・オランド仏首相もアンゲラ・メルケル独首相も国内で同様に、地域の成長に向けた明確な政策を示すよう求める勢力や、難民危機に現実的なアプローチを取るよう訴える人々の政治的な圧力にさらされている。

Kenneth Rapoza

最終更新:6/25(土) 18:30

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