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千葉の鶏白湯ラーメンチェーンが、タイでも現地並の低価格でラーメンを提供する理由

HARBOR BUSINESS Online 6/25(土) 16:20配信

 和食ブームの中でもラーメンはそのわかりやすさからタイ人にも人気で、いまや首都バンコクはちょっとしたラーメン激戦区になっている。

 しかし、料金が高く、すべてのタイ人に楽しめるものかというと、まだ一部の層には手が出ないのも事実である。

 そんな中、 2015年10月にバンコクに出店した鶏白湯(とりぱいたん)スープで人気の「七星(ななせ)」は、「タイのラーメン業界」の基準を打ち破るかのように、1杯あたりたった80バーツ(約250円)からと激安の料金でラーメンを提供しており、その味も相まって現地日本人やタイ人にも話題になっている。

 もともと「七星」は、千葉県は千葉駅のそばにあるラーメン屋である。日本から来た麺屋にしては破格の設定だ。

 果たしてなぜ「七星」は、そんな低価格でラーメンを提供しているのだろうか?

◆「タイ人がFCで開業できる店」を目指す

 なぜ「七星」は、敢えてバンコクの「日本ラーメン標準価格」を下回る破格の料金でラーメンを提供しているのか? その鍵は、同店に「エアコンがない」ことにある。

 オープン当時の日本人担当者に聞いたところ、「タイ人のために開いた店です。今後も事業は拡大していくつもりですが、屋台などで展開して、タイ人が気軽に食べられ、気軽にフランチャイズとして開業できる店を目指しています」というのだ。

 なるほど、タイ人にも馴染める価格で提供し、いずれはタイ人によるFC展開を見越して、店舗設計もコスト減を目指していたのである。

 2016年6月現在、「七星」はバンコクに3店舗を構える。1店舗が6月にオープンしたばかりのフランチャイズ(FC)で、ほか2店は直営となっている。ただ、そのコメントで語っていたタ人FC契約はまだ獲得できていない。

 今年5月にオープンした「七星」のタイ初のFC店の経営者である後藤俊行氏に話を聞いてみた。後藤氏はバンコクで「ウッドボール」というバーを数店経営し、在住日本人では知らない人はいないというほどの有名人であり青年実業家である。後藤氏は「七星」のFCに進出した理由として「七星の魅力は濃厚で癖になる鶏白湯スープ、そしてなにより価格」だと語る。

◆成功した日本人実業家も太鼓判

「日本人向け歓楽街のタニヤで場所がみつからなかったため、元々2店舗目として候補にしていた地方都市のシーラチャーを先に開いたのです。いずれバンコクにも出店します」と語る後藤氏。

 後藤氏の店舗ではドリンクを直営店と少し変えてエスプレッソや生ビールを出すなど独自色も出している。

「まずは平均1日100杯達成することを目標にしています。そして、すぐに2号店の準備も始めたいところです」 

 タイで既に成功している後藤氏だが、今回のFC契約も確実に儲けを得られると確信している。そのため、共同出資者とふたりで最初から少なくとも2店舗の展開は考えていたのだという。

 好景気が続いてきたタイは海外からたくさんの飲食店が参入しており、飲食に関してはバラエティーに富んでいるし、本場の味を楽しむことができる。

 ただ、その代わり料金は高めで、それこそ東京以上に高い店ばかりになってしまった。しかも、昨今では、そんなタイも不況になるのではないかという声も出始めている。

 今後、タイの飲食ビジネスにおいては、「七星」のような本格的な味でありながら、タイ人中間層がいつでも行けるような料金設定というのが、現地への定着を促進させ、ひいては成功に繋がる鍵となってくるかもしれない。

<取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:@NaturalNENEAM) 取材協力/七星、後藤俊行(ウッドボール) >

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:6/25(土) 16:20

HARBOR BUSINESS Online