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長野久義、新4番で殻を破れるか。新成・巨人象徴する男が逆転Vのキーマン

ベースボールチャンネル 6/26(日) 11:30配信

4番適任者が不在という状況

 もう、さすがに混セとは言えなくなった。セリーグは首位・広島が貯金2ケタで完全な独走状態。2位以下はすべて借金を背負う苦しい星勘定となっている。特に開幕直後はスタートダッシュに成功したはずの巨人としては明らかな大誤算だろう。

 25日現在、3位でありながらも借金生活にあえぎ広島とのゲーム差は8にまで広がってしまった。気が付けば、パリーグ首位のソフトバンクと2位・ロッテの7.5ゲーム差を超える数字になってしまった。

 さて巨人逆転Vに向けて反撃の糸口となるキーパーソンはここ最近、4番に据えられている長野久義とみる。ギャレット・ジョーンズが不振に陥り、ルイス・クルーズは負傷で戦線を離脱。4番を務めていた新助っ人たちに代わり、この長野が5月29日の阪神戦(東京ドーム)から主砲として大役を任されている。

 ここまで「4番・右翼」として21試合に先発出場し続け、その間は85打数31安打で打率.3647と高い数字をマークしているが、9打点、1本塁打の数字はややさびしい。
 25日現在での通算成績は打率.298、4本塁打、22打点、得点圏打率.250。この4部門はセの打者上位ランキングの中でみればそこそこの数字と言える。しかしながらやはり主砲ならば、どれももう少し上積みさせておきたいところだ。

 巨人OBや有識者たちからは長野の打順について「4番タイプではない」「リードオフマンのほうがしっくりくる」といった声を聞く。

 だが現状を見る限り、チームに長野以外の4番適任者がいないのも事実。絶好調の3番・坂本勇人は、この定位置で開幕から非常にうまく機能していることから高橋由伸監督の頭の中で不変不動と決め込まれている様子だ。阿部慎之助や村田修一のベテラン2人も安定感の面でやや不安が残る。それならばと指揮官が意を決し、4番の座を託したのが長野だった。

新成・巨人を象徴する2人

 もともと高橋監督は現役時代から長野の力量を高く評価していた。監督就任直後に「キーマンの1人」として名を挙げたのも、この背番号7。そして開幕前に応じた各メディアのインタビューでは、何度か次のようなコメントも口ぐせのように言い続けていた。

「これからは坂本・長野にやってもらわないといけない」

 坂本と長野のジャンプアップがなければ「新成・巨人軍」は成り立たない。高橋監督は間違いなく、そう考えている。その機軸となるべき2人のうち、坂本はチームの中心として成長を遂げようとしている。あとは長野だ。

 思えば、この2人は奇しくも2012年に最多安打のタイトルを2人そろって同時受賞している。長野は前年2011年シーズンで首位打者に輝いてから2年連続のタイトルホルダーとなり、坂本にとってはこれが初タイトル。しかし両者ともに以来、タイトルとは無縁となっている。

 果たして坂本が3番の座で飛躍のための「何か」をつかんだ。ならば4番の重責を果たすことで、長野にも殻を打ち破るきっかけを作ってほしい。高橋監督の狙いは、まさにこの思いに集約されている。

 賢い男・長野も無論、巨人軍の4番を任された意味を痛切に感じ取っていることだろう。3番・坂本、そして4番・長野のバットが連続して火を噴くようになれば、チーム再浮上につながる可能性は十分に残っている。厳しい立ち位置になったとはいえ、まだペナントレースの戦いは半分残っているのだ。キーパーソンである背番号7の猛奮起に、これから注目したい。


臼北信行

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:6/26(日) 11:30

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